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~自然と日常~
この村の地形と人々の長い営みから生まれた棚田の稲ワラが、塚田裕の構想と大勢の協働によって、巨大な彫刻に変容し、美術館の丘に現れます。
絵画/インスタレーション作家
1966年、長野県諏訪市生まれ。和光大学人文学部芸術学科油彩専攻卒業。2003~08年、眞板雅文(1944ー2009年)のアシスタントを務める。05年、個展(みゆき画廊/東京)、07、09、11年、シュライニング国際音楽祭(オーストラリア)招聘展示。09~17年、山中湖国際音楽祭(山梨)招聘展示。11~19年、個展(画廊るたん/東京、松本市美術館市民ギャラリー、Gallery Amano/山梨)。20年、シンビズム(茅野市美術館)出展。21年、個展・INSIDE/OUTSIDE(原村八ヶ岳美術館/長野)。
中川村飯沼の棚田では地元の造り酒屋の酒米が作られています。その8ヘクタール全部のワラを使う今展のインスタレーションは、壮大なプロジェクトです。中川西小5年生が植えた稲のワラも使わせてもらえることになりました。一年という時間の中で米を育てる大勢の人々がいてこそ、成り立つ作品です。ありふれた日々の、あたりまえのようにある物や物事は中川村のおおらかで親切な人々の気持ちや、植物が成長するサイクルの小さな奇跡の連続のようです。軽トラ25台分に及ぶ大量のワラは、この日常の先にあるものです。戦争の危機がある今だからこそ、僕個人の思惑を超えて平和でなければ存在しえない、そんな意味を持つ彫刻になればいいと思っています。
11月9日(木曜日)から11月30日(木曜日)まで
【日時】 11月11日(土曜日) 午後1時~ ※入館料が必要