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指 定 令和2年12月23日
所在地 中川村大草・片桐
所有者 長野県
県道大草坂戸橋線にある「坂戸橋」は、昭和8年に架設された天竜川にかかる道路橋です。
坂戸橋は、橋の長さが約78メートルの大規模な鉄筋コンクリート造りのアーチ橋であり、現存する戦前期の道路橋では国内最大で、昭和前期における日本の技術力の高さを示すことができる建造物であること、部材の接合部を曲面状に滑らかに仕上げ、細部にわたり美観にも配慮した丁寧な施工から、重要文化財へ指定されました。
簡素で美しい橋は、周辺の景色とも非常に溶け込んでいます。
橋長:77.9メートル
幅員:6.0メートル
支間:70.0メートル
構造:鉄筋コンクリート造単アーチ
アーチの高さ:11.7メートル
登 録 令和7年8月6日
所在地 中川村葛島933-2
所有者 中部電力株式会社
南向(みなかた)発電所は、中川村葛島渡場地区に所在する、中部電力株式会社が所有する現在も稼働している水力発電施設です。
南向発電所は、昭和2年7月に天竜川電力株式会社(現在の中部電力)の福沢桃介により工事着工され、昭和4年2月に竣工しました。
建設当時は、発電機が3機ありましたが、昭和25年に1号機を移設し、以降は2機での発電をしています。平成12年に水車、発電機の取替工事を実施しましたが、建物は改修工事などをしておらず、当時のものとなっています。
この建物は、風格のあるヨーロッパコロニアル風の鉄筋コンクリート造で、昭和初期の優れた建築様式をそのまま現在に残しています。
発電所上部にある水槽の壁には、桃介の座右の銘である「水然而火、雷動而風」の一節、「水然而火」の銅製の大額が埋め込まれるほか、前庭には福沢桃介の胸像が建立されています。
建築年:昭和4年
構造:鉄筋コンクリート造
建築面積:976平方メートル
登 録 令和7年8月6日
所在地 中川村片桐4134
所有者 米山永子
米山家住宅は、上伊那郡中川村に所在する民家です。寛永年間に建てられた旧家で、屋号を大東(おおひがし)といい、この集落に所在する米山家の本家です。
かつては農業を主な生業とし養蚕業も営んでいた農家です。前面の農地に対面して東西に長い敷地に、主屋は木造平屋建て(一部二階建て)の本棟造で妻入。屋根は切妻造りの瓦葺きで、外壁は土壁で、真壁造、白漆喰塗り仕上げの主屋が、敷地の西側に建てられています。
この地域の特徴的な本棟造の好例です。
建築年:江戸末期
構造:木造平屋一部二階建、瓦葺き
建築面積:215平方メートル