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令和6(2024)年度予算提案と村政運営の基本方針について

記事ID:0009590 更新日:2024年2月27日更新

 令和6年3月議会において、「令和6年度予算提案と村政運営の基本方針説明」を説明いたしました。内容は以下のとおりです。​


 令和6年度の中川村一般会計、国民健康保健事業等3特別会計、及び水道事業会計等2事業会計予算の提案説明に併せて、令和6年度の村政運営の基本方針について説明させて頂きます。

 日本は、既に新型コロナウイルスと共存する日常生活、経済活動を行う局面に入っています。令和6年度からは、令和2年度からの国の支援である「新型コロナウイルス感染症対応、物価高騰対応地方創生臨時交付金」収入が見込めません。一方、物価高、高騰する燃油、電気料は下がる見通しがないなかで、村の蓄えをもって、村民生活の防衛に対していかなければならないと考えております。

 国、県が政策の柱に据える「子育て支援」、「デジタル・トランスフォーメーションの推進」等の地方自治体支援策を予算に確実に取り入れながら、第6次総合計画前期計画の最終年度の事業を進める事を基本に予算編成しました。

 お配りした「令和6年度(2024)年度中川村一般会計予算(案)の概要」で令和6年度予算総額、歳入の概要説明、歳出費目の概要説明及び特別会計、事業会計概要説明等をご覧ください。令和6年度予算と実施事業のポイントを中心に説明をいたします。

村の予算規模等概要

 最初に、一般会計、特別会計、及び事業会計の総額、特徴について申し上げます。令和6年度一般会計予算は、43億円、前年対比9.47%、3億7,200万円の増額となりました。当初予算としては最も大きいものです。

歳入について

 歳入の柱である、地方交付税、村債、基金繰入金、諸収入は次のとおりです。

  1. 地方交付税は19億9,000万円で歳入の46.3%となり、前年より5,800万円の増額
  2. 村債は6億500万円と前年より1億1,500万円の増
  3. 基金繰入金は1億4,900万円と前年より5,700万円の増
  4. 諸収入は2億9,900万円と前年より1億5,800万円の増

 歳入増の主な要因は、歴史民俗資料館改修・増築工事の財源に充てるための公共施設等整備基金繰入金(1億円)、リニア中央新幹線関連事業に関して、(株)JR東海協力金(2億2,700万円)等です。

 歳入の減額要素としましては、個人村民税、固定資産税等の村税は、総額4億4,200万円と前年比2,300万円の減となっております。

歳出について

 歳出につきましては、増額の主な要因は、総務費が、リニア中央新幹線関連事業費2億2,700万円の計上等により前年比1億6,800万円の増となったこと、また、教育費が、歴史民俗資料館増改築事業費3億9,700万円の計上等により前年比3億4,000万円の増となることなどです。

特別会計予算について

 続いて、3つの特別会計予算は、会計総額11億8,200万円、6.1%、6,800万円の増額です。3つの特別会計の総額、特徴につきましては、次のとおりです。

(1)国民健康保険加入者総数は減少している反面、保険給付費が3億2,618万円、前年比3,334万円、11.4%と大きく伸びております。県に納める国保事業納付金1億2,150万円に対して充当する保険料は9,189万円、国・県補助金は1,800万円の収入しか見込めませんので、1,100万円の乖離がありますが、今年度は、保険料を値上げせずに、支払い準備基金から同額の1,100万円を補填して運営します。

(2)介護保険事業は、介護保険給付費が令和5年度から増額となっていること、介護報酬引き上げなど増額要素を見込みつつも、保険料基準額は変えずに運営を行う方針です。

 介護給付費の伸びを抑えるには、介護予防事業が大きく関わっていることから、フレイル判定システムを導入し、DX化を進めることで介護予防事業の効率化を一層進める予算編成としました。

 なお、所得階層ごとの介護保険料額につきましては、介護保険条例の一部改正議案で審議いただきますので、ここでは詳細の説明は省略させていただきます。

(3)後期高齢者医療会計は、2030年に後期高齢者数が頂点となるまで会計規模が大きくなる予想です。

水道事業会計、下水道事業会計について

 次に、公営企業会計の水道事業会計、下水道事業会計の2会計の歳出ベースでの総額は、8億7,900万円、前年対比8.0%、7,676万円の減額です。

(4)水道事業会計は、飯島町からの配水管の延長工事である、中通配水池までの整備、南向地区の地下水源の詳細調査、及び沢入浄水場施設更新のための調査等を行います。

(5)下水道事業会計は、公共下水道片桐処理区、農集片桐北部地区のマンホールポンプ更新、及びマンホール蓋の更新工事を行います。

一般会計について

 昨年、令和5年度予算編成のポイントとして、「中川村は子育て家庭を全力で応援する。」と申し上げ、妊婦、子育て家庭に対する伴走型支援を村独自に充実させてきました。

1.子育て、高齢者、障害者福祉

 最初のポイントは、子育て、高齢者、障害者福祉に関わる点です。

(1)令和5年度末までに策定する中川村地域福祉計画では、子ども子育て、高齢者、及び障害者福祉推進は、地域共生の考え方で一体的に進める事の基本を記しています。そのために、

  1. 子ども子育て支援を重点的に行う「中川村子ども家庭センター」を設置し、子ども支援係を創設します。併せて福祉に関する様々な相談に一元的に対応するため福祉相談係を設置します。
  2. 高齢者、障害者等を包括的に支援する「中川村包括支援センター」を現在の保健センター事務室から、保健センター大広間(健診室)に移動し、両センターが連携しやすいよう保健センターを改修して、令和6年度内の早期開所を目指します。
  3. 子ども子育て支援事業計画(令和7年度~令和11年度)を令和6年度に策定するにあたり、子育て家庭へのニーズ調査の他、子どもの貧困に係る調査、子ども・若者意識調査を実施し、子ども計画を兼ねた支援計画を策定します。

(2)子育て支援の具体的な事業としては、令和5年度からの継続事業に予算拡充して次の事業を前に進めます。

  1. 産前産後ヘルパー事業、産前産後配食サービス、宿泊・デイサービス、外部から支援するアウトリーチ等タイプ別の産後ケア、及び乳房ケア等のきめ細やかな事業を継続し、需要を満たすよう予算の確保を図りました。
  2. 健診時にタクシー利用できる産前産後移動支援事業を継続します。
  3. 駒ヶ根市・飯島町でおこなう伊南病児・病後児保育利用が急増する現状に照らして、需要量に応じた村負担を行います。
  4. ファミリーサポート制度利用も増加しているため、利用に応じた補助金額を確保します。

また、令和6年度に新たに行う事業として

  1. 1歳~3歳未満までの幼児を在宅で育児をする家庭の経済的負担の軽減を図るため、月額1万円を給付する「在宅育児世帯応援給付事業」を始めます。
  2. 小中学生・高校生のいる世帯に対しては、
    • 小・中学校入学祝い金、通学かばんの贈呈を継続するとともに、学校給食費については、食材料費高騰分を全額公費で賄い給食費を据え置くとともに、年間給食費の村負担を2割から3割に引き上げ、保護者負担の軽減を図ります。また、給食食材の地場産比率を高め、生産者と協調した食育を一層進めます。
    • 高校生の就学支援として、引き続き1学年時に10万円、2・3学年時に5万円の支援金を交付するとともに、通学支援として、鉄道・バス等定期券購入費及び寄宿等費用に対しては、引き続き上限5万円の補助、及び村公共交通定期券の無料交付を継続します。

(3)高齢者福祉に関しては、介護者負担の軽減と介護事業所継続支援のため、緊急宿泊事業の事業所補助を1泊6千円から1万1千円に引き上げます。

(4)障害者支援に関しては、

  1. 障害者自立支援法に基づく自立支援給付費をサービスに応じて確保するとともに、児童福祉法に基づく障害児通所支援を継続して行います。
  2. 地域活動支援センター「くらしごと」の活動を引き続き応援するとともに、「B型就労」等の新しい取り組みへの移行に注目して、相談支援していきます。

2.安全で安心な村づくり

 2点目のポイントは、安全で安心な村づくりの推進を、道路改修、河川整備等のインフラ整備の観点から申し上げます。

(1)村道新設改良事業については、現在進めている村道七久保停車場大鹿線及び鹿養大平線の2路線の改良工事の進捗を図るとともに、新たに村道中村高遠原線交通安全帯(グリーンベルト)の設置、令和5年末に改良拡幅工事が終了した県道北林飯島線に接続する村道葛島中央線の線形を確定するため、調査・測量設計を進めます。

(2)村管理の3河川の河畔林整備(洞ヶ沢)、河川浚渫(大谷沢川、苦木沢川)をそれぞれ行い、河川堆積土砂等を取り除くなど防災事業に引き続き取り組みます。

(3)令和6年1月から天竜川上流流域治水プロジェクトに着手しました。村は、小和田土地改良整備事業主体として、

  1. 工区割り計画に基づいて土地造成工事を進めるとともに、家屋等の移転協議を進めます。
  2. 搬入土の安全性を確認するため、リニア中央新幹線発生土及び小渋ダム堆積土の土壌分析試験を定期的に実施します。

(4)木造住宅の耐震診断をすすめ、耐震改修設計に基づき耐震改修する住宅の所有者に補助金交付し、耐震改修済みの比率を高めるように努めます。

(5)また、大規模災害が発生した場合、災害対策本部拠点としての使用と、平常時での会議等有効活用を行うため議場の改修工事を行います。

3.温室ガス排出抑制対策

 3点目は、令和5年度末までに策定する「中川村地球温暖化対策行動計画(区域施策編)」に基づき、「地球温暖化対策推進協議会」を設置し、行政、村民、農林商工業者協同して、温室ガス排出抑制対策を進めていきます。

(1)脱炭素・再生可能エネルギー推進事業計画(2050年カーボンニュートラルを見据えたアクションプラン)を確立します。

(2)屋根面積の大きい公共施設等の太陽光発電設置可能性の調査を行い、村の再生可能エネルギー計画をつくります。

(3)長野県の「住宅エネルギー自立化補助制度」利用促進を図るため、上乗せ補助支援を検討します。

(4)地域経済循環分析で示された、エネルギーの「村内生産、村内消費」を具体化するため、地域内の未利用資源の活用及び再生可能エネルギー生産事業体設立について研究をすすめます。

4.第6次総合計画の後期計画策定

 4点目に、令和6年度は第6次総合計画の後期計画策定にあたる年であり、村が「人手不足」にある現状を踏まえて次の事業を具体化してまいります。

(1)第6次総合計画の前期計画の到達を明らかにし、後期計画の策定を進めます。同時に、第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略の最終年度であり、予想以上の早さで進む少子化、人口減少を踏まえ、移住・定住の促進の方向を後期計画に一体的に記してまいります。

(2)複数の働き方ができ、農家、事業所の人手不足を補完するしくみ「特定地域づくり事業協同組合」の組織化を目指します。同時に、この事務局を担える能力の有る人材を村内外に求めていきます。

5.新たな学校づくりプロジェクト

 5点目のポイントは、新たな学校づくりプロジェクトについてです。教育委員会では令和3年度から2年をかけて、新たな学校の在り方を検討し、「小学校と中学校を統合して、施設一体型の義務教育学校を新設する」という基本方針を打ち出しました。

 令和5年度は、村民、児童生徒、保護者、有識者と地区懇談会や語る会などで意見交換を行い議論を重ね、2月17日に開催されたシンポジウムでは、新たな学校のコンセプト(構想)が提示されました。

 こうした経過から、新たな学校づくりに向かうことについて村民の理解が進んでおり、具体的な予定地が決定したことを受けて、村の事業として位置づけ取り組んでいきます。

(1)新たな学校建設予定地を現在の中学校敷地及び東側隣接地に決定し、併せて周辺地域の土地利用計画及び施設整備計画等を見直すべく検討を進めます。

(2)令和6年度、教育委員会が「新たな学校づくり委員会」を設置し議論して、基本計画を策定するにあたり、新たな学校の建設に係る技術的支援の委託を行うため、必要な予算措置を行います。

 新年度の行政運営に当りまして、重点と考えておりますポイント、事業計画について、5点にまとめて申し上げました。引き続き、村民並びに議会の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いし、令和6年度村政執行の基本方針説明とさせていただきます。

 なお、新年度一般会計予算の概要は副村長から、特別会計、事業会計は担当課長からご説明いたしますので、お聞き取りください。よろしくお願いいたします。

令和6年2月27日
中川村長 宮下健彦