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《村長の部屋》 令和6年3月議会定例会 開会あいさつ

記事ID:0009588 更新日:2024年2月27日更新

はじめに 

 おはようございます。令和6年中川村議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私にわたりご多用のところご参集賜り、誠にありがとうございます。

 元日の午後4時10分に能登半島穴水町北東42キロ付近を震央として最大震度7、マグニチュード7.6の能登半島地震が発生しました。地震発生から50日を経過して、241人が死亡、安否不明9人の犠牲者が判明し、全壊から一部損壊7万4千棟を超える住宅に被害が出ています。

 また、現在でも2万2千戸以上で断水が続いている模様であり、道路、水道、下水道、さらに電力供給網など、インフラ全体にも大きな損壊を与えました。

 この地震は、能登半島が乗っている地盤がせり上がる逆断層型の地震で、最大で4メートル余りせり上がったことで相対的に海水面が下がり、海岸線が200メートルほど遠のいたことで、30カ所ほどの漁港で漁船の接岸等ができなくなるなど、漁業にも打撃を与え、復活のメドもたたないなど一次産業継続・復旧にも大きな爪痕を残しています。

 亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様には、一日も早く、落ち着いた生活が取り戻されるよう願うばかりです。中川村も、輪島市及び羽咋市支援に、上伊那広域市町村、佐久広域と班グループを組んでいつでも支援に駆けつける体制をとっており、応援隊派遣は3月11日から1週間程度輪島市の避難所支援に、17日から同じく1週間程羽咋市に家屋調査・罹災証明発行などの支援に入る予定となっております。

 さて、今年の冬は、暖かく過ごしやすい反面、晴天が続いたため、沢入浄水場での取水量が一時不足するなどの事態となりましたが、その後の降雨で回復しております。下平、中組両地籍の通称ネギヤの堤にある大きなしだれ柳の木は、芽を膨らませて黄緑色になっていますし、梅は花を開いています。3月にかけても暖かな日が続き、桜の開花は昨年並かそれ以上に早まりそうです。

 1月22日の第1回臨時会以降、村が開催又は、関係する組織の開催した事業等について報告を申し上げます。

村が開催又は、関係する組織の開催した事業について

「日本で最も美しい村」連合について

 まず、村が加盟するNPO法人「日本で最も美しい村」連合についてです。1月22日に役員会、2月20日には理事会がありました。資格審査委員会の加盟町村再審査結果、事業委員会の取り組み事業報告及び決算見込み、2024年度事業計画及び予算案について検討を行いました。

 事業委員会のDX推進事業=「デジタル化による関係人口の拡大」に関しては、第一に観光客誘致のネットワーク化=観光・宿泊を入り口にしたプラットホームを構築する事業及び、NFTの販売で関係人口・美しい村ファンを増やす取り組みについて。第二に、内閣府広域連携SDGs事業の2024年度事業申請が6月中にあることについて、この二点について集中して議論を行いました。

 当連合に加盟する町村・地域が、それぞれの特徴を生かして関係人口の増加を図るには、デジタル技術の活用が欠かせないものと考えます。当村としましては、新年度予算に観光・宿泊から入るプラットホームづくりに、鳥取県智頭町、静岡県松崎町の2町と先行して取り組み、後続の町村参加を促していく考えでおります。

 2月22日に、中部・関東ブロック会議を村で開催し、次期のブロック長に長野県小川村を、又、同事務局も小川村を選出しました。

 ブロック会議終了後、中川村美しい村づくり協議会の主催で「日本で最も美しい村連合の輝く未来」と題して、二宮連合副会長の講演があり、協議会会員、及び関東・中部ブロック会議参加者、オンライン聴講者合わせて100人ほどが聴講しました。

公共交通について

 2月14日に第2回中川村地域公共交通会議を開催し、巡回バス事業、デマンド交通「ちょいソコなかがわ」、及び福祉タクシー券の利用実績の報告、公共交通全体の目標値設定に対する到達度と評価の報告、及び令和6年4月村営巡回バス時刻表改正について議論し、時刻表改正案を満場一致で了承しました。

 巡回バス利用者については、4月から1月の10ヶ月の利用者は合計19,600人、月平均で1,960人。昨年度利用者は合計24,292人、月平均2,041人、昨年同程度の乗車人員がありました。

 デマンド交通「ちょいソコなかがわ」は、令和5年4月から本格運用開始して以後10ヶ月間の集計では、延べ乗車6,782人、日平均34人の利用となっています。

 課題は、コールセンターを仲介しての現行システムでは、電話が集中すると予約がとれない場合が多々発生しており、直接予約を受けることも検討の課題となっています。

 福祉タクシー券利用は、9ヶ月間の集計では、利用人数延べ260人、利用枚数1,670枚となっています。昨年12月実績は利用人数230人、利用枚数1,295人となり、利用率でやや下がっています。利用を高める方法の検討が必要と感じています。

農政懇談会について

 2月16日に、JA上伊那西村組合長、白鳥営農経済担当常務、田中金融担当常務、中川選出の大場理事、駒沢南部ブロック理事他南部営農センター長などJA側10人と、村関係者及び松澤中川村議会議長等村側6人で農政懇談会を行いました。

 昨年の懇談会で村からの要望10項目についての、JAの考えに基づいた取り組みの報告がされ、懇談内容がその場で終わりでなくJAの継続的な対応がされていることが確認できたことは今までにないかたちであります。

 村から、環境負荷低減に繋がる農業、有機農業支援、物流業界2024年問題に対するJAの取り組みなど6点の質問・要望と花の生産振興に合わせて「花育」をどう取り組むか及び、JA職員の地域採用枠を設け、各地域にJAが根付く取り組みを口答で要望し、懇談を行いました。

 JAからは、農畜産物販路拡大重点策として

  1. ダイレクトメールセンター設置、
  2. 各行政姉妹都市にJA上伊那農畜産物の紹介等販路拡大の要請

があり、突っ込んだ議論が出来たことは成果であったと感じています。

南向発電所施設見学会について

 2月18日に南向発電所設備点検のため発電を停止している間を利用して発電建屋内部の施設見学会が行われました。2時間半ほどかけて、発電の仕組みの説明を受けた後、発電建屋内部の見学を行い、水を落として水車を回し、発電機で電気を起こす2基の心臓部の機器を間近に見ることができ、詳しく説明をいただく貴重な機会を得ることが出来ました。

 中部電力水力センターの職員の方には感謝申し上げます。建屋の大きさから見学人数は限定されましたが、募集後すぐに応募者20人に達したこと、村内から幅広く見学希望があったことを思うと、この南向発電所が、再生可能エネルギーを生み出す重要な位置を占めていることへの関心の高さの現れだと感じました。

 来年度は、文化庁の専門官に来ていただき、文化財としての価値の認識を深めるとともに、登録有形文化財指定に向けての手続きを前に進めたいと考えております。

新しい学校づくりについて

 2月17日には、新しい学校づくりシンポジウムが、村民、当事者である中学生、保護者、小中学校の先生方等幅広い人の参加で熱の入った議論が行われました。新しい学校の特徴は、施設一体型の義務教育学校(小中一貫学校)であり、地域住民も関わり「オール中川で学びを支える体制」をもって運営する体制が見えてきたと思います。

 同時に、新しい学校の建設予定地検討委員会は、1月23日、2月20日に開催され、敷地面積及び拡張性、通学距離、学校地・周辺環境、関係法令による規制等の点を中心に、また、現学校の移転後の地域の将来など議論を重ねていただきました。2回の議論では候補地を絞りきれないと思っていましたが、検討委員会の結論は、「現中川中学校敷地を予定地とし、できるだけ広く用地を確保するため、東側公営住宅敷地も用地として検討すべし。」とのことです。

 建設予定地が検討委員会から示されたことで、この場をお借りして、新しい学校は中川中学校敷地及び接続村有地を敷地として建設計画をすすめていくことを表明いたします。

​内閣府月例経済報告

 令和6年2月21日発表の内閣府月例経済報告によりますと、総論として「景気はこのところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復している。」とし、景気の先行きについては、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。さらに、令和6年能登半島地震の経済に与える影響に十分留意する必要がある。」との発表がありました。

 1月の基調判断文面比較では、「一部に足踏みもみられる」が「足踏みもみられる」となり、全体に及んでいること、生産に関して1月は、「持ち直しの兆しが見られる」から、「持ち直しに向かっていたものの、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響により、このところ生産活動が低下している」などとなっており、若干の景気の停滞、生産全体の低下リスクを指摘しております。

 2月に名目GDPがドイツに抜かれ、4位に転落したとの報道がありました。主要な原因として、この3年間で対ドル円安が約30%進んだこと、労働生産性を比較した場合、アメリカ、ドイツの6割に留まるなど、企業の利益幅が小さく、労働者の賃金アップに結びつかず、個人消費の拡大に繋がってこなかったとの分析があり、今春の大幅な賃上げにつながることが期待されるものです。

 一方で、日本の株価がこのところ急上昇しています。好調なアメリカ経済、中国の経済発展にブレーキがかかるという外的な要因もあり、投資家が日本の株に流れたこと、また、円安もあって日本企業の利潤が上がっているなどの指摘があるようです。一方、日本経済が未だにデフレ脱却できていないなかで、実態の経済との乖離を指摘する専門家もいるようです。

本議会での審議について

 さて、本議会でご審議をいただくのは、損害賠償の額が決定し和解が成立した事による専決処分の報告を行いまして、次の議案を審議していただきたく上程いたしました。

  1. 新設条例1議案、現行条例の一部を改正する条例11議案の合計12議案
  2. 固定資産評価審査委員会委員の選任を求める人事議案1議案
  3. 議会の議決に付すべき契約、財産の取得又は処分に関する条例に基づき、発注済みの工事変更請負契約、新たに締結する請負契約議案2議案
  4. 公の施設に係る指定管理者の指定、及び村道路線の変更の2議案
  5. 令和5年度一般会計、及び令和5年度国民健康事業特別会計、介護保険事業、後期高齢者医療保険事業の3つの特別会計補正予算、令和5年度下水道事業会計補正予算案5議案
  6. 令和6年度一般会計予算、3つの特別会計予算及び事業会計予算案の6議案

以上合わせて、28議案です。

 令和6年度一般会計予算、特別会計予算及び事業会計予算につきましては、令和6年度に注力する点を中心に「令和6年度施政方針」で改めてご説明させていただきます。

 今議会に提案します案件は28議案と多くありますが、慎重なる審議の上、ご承認賜りますよう重ねてお願い申し上げ、議会開会のごあいさつとします。

令和6年2月27日 中川村長 宮下健彦