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《村長の部屋》 令和5年第1回臨時会 冒頭あいさつ

記事ID:0008707 更新日:2023年7月18日更新

 令和5年7月、中川村議会第1回臨時会をお願いいたしましたところ、議員各位におかれましてはそれぞれ、ご多用のなか、全員、定刻にご参集をいただきまことにありがとうございます。

 NPO法人「日本で最も美しい村」連合定期総会が6月28日から30日にかけて、北海道標津町(しべつちょう)で開催され、出席してきました。道東に位置する標津町は、夜明けが早く、3時50分頃はかなり明るくなっております。道路は2車線で整備され、ほ場は採草地が多く、1ほ場で数ヘクタールの広さがあります。かつては白鮭の漁獲量日本一を続けた町だけに、採卵後の身を再利用した、鰹節ならぬサケ節を研究の末に製品化し、堆肥化又は廃棄するだけであった資源を特産品化し、しかも、地元に雇用を生み出している建設会社の経営者のお話をお聞きする機会を得ました。

 人口は5千人弱、搾乳牛2万頭以上の町であっても、酪農経営は厳しく、放棄された採草地等を借り受け、北海道試験場とタイアップして、標津町特産のジャガイモの種芋を増やす取組や、ソバを栽培し、町民収穫祭で、収穫したソバ粉で手打ちソバを500食ほどつくり、無料で振る舞う取組など、年齢は私と同年齢の皆さんが「地域おこし」にフル回転している姿も知ることが出来ました。醸造ブドウ栽培も行っており、驚くべき事にボルドー液など一切の農薬散布はしないで収穫しているとの事でありました。さすがに、糖度があがるまで収穫を遅らせるため、霜が降りてからの収穫となるようです。温暖化で果樹の栽培も高緯度地帯に移りつつあることを実感しました。

 吉野桜で有名な、連合加盟の奈良県吉野町があります。掛け軸などの裏装丁に使われる宇陀紙(うだがみ)が手漉き製造されている町ですが、宇陀紙を使って行う、文化財の修復にはウツギからとれる糊(のり)が最良とされています。調査したところ、標津町に自生する「ノリウツギ」からとれる糊が、質と量の点からも宇陀紙との相性が良いことが分かり、町を挙げてノリウツギの栽培を開始したという、連合加盟町村間ならではの連携も報告されました。特徴ある取組と、元気な人々のあつい思いを感じた総会でした。来年は、九州ブロックでの開催となります。

 内閣府の6月月例経済報告によりますと、“景気は緩やかに回復している”として、先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、世界的な金融引き締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。と基調判断をしております。

 5月期の基調判断と同じ表現であり、電気料金の引上げ、消費者物価の上昇等にも言及しておりまして、暮らしは明るい方向への転換という道筋もまだまだはっきりとしないなか、6月県議会では、住民税所得割非課税世帯1世帯につき2万円の給付、及び18歳以下の子ども1人につき3万円の給付を行う補正予算を可決しました。

 村としましても、燃油高騰、物価高騰対策としてコロナ交付金を活用して、これらの世帯に対しての消費支援を行う時期にあるものと思っています。

 本日の臨時会には、低所得の世帯、子どもに対しての現金給付を行うこと、及び6月1日から3日の集中豪雨で被災した道路、林道及び農地の復旧に要する補正予算案を審議していただきます。緊急を要する経済支援、災害復旧費用が柱となっておりますので、原案どおりお認めいただきますようお願い申し上げ、臨時会開会のごあいさつといたします。よろしくお願いします。

令和5年7月18日 中川村長 宮下健彦​