《村長の部屋》　令和５年６月議会定例会　開会あいさつ

　おはようございます。本日は、議員各位におかれましては、ご多忙のところ令和５年６月中川村議会定例会にご参集賜り、誠にありがとうございます。

　ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、侵略戦争は本日で１年４か月ほど経過しましたが、ロシア軍の撤退どころか停戦の兆しさえも見えない状態となっています。ウクライナの首都キーウにミサイルが撃ち込まれ、集合住宅の破壊が続いています。南部にあるサポロジエ原子力発電所はロシア軍が占拠したままで、周囲に防御壁を作り軍事拠点化を進めており、原子力発電所への攻撃ができないことを逆手にとって長期駐留の構えであります。

　また、アメリカはじめ日本など欧州に目を向けている隙を狙って朝鮮民主主義人民共和国は、大陸間弾道ミサイルロケット技術を応用して軍事衛星打ち上げを試みるなど国際世論を無視し、ミサイルの誘導、着弾点確認などの目的の軍事衛星打ち上げに固執しています。

　国内での新型コロナウイルス感染症の扱いが、５月８日以後第２類から５類へ警戒度を下げたことにより、発症者は定点病院等での扱いとなりました。長野県における新規発症者は３週経過するごと減り続けています。今後の注意、警戒レベルの発令は、定点観測での発症者数と状況を見る中で決めていくということであります。

　５月15日、５月31日と道路整備促進、治水事業促進の全国大会で東京に出張しておりますが、電車内でのマスクの着用者は５割程度の印象です。暑くなるにつれ、マスク着用はほとんどなくなるものと思います。

　６月２日は、本州に停滞する前線に向けて、台風２号が湿った空気を供給し続け、線上降水帯が発生するなどして各地で大雨を降らせ、土砂災害を引き起こしました。愛知県、静岡県そして関東東部、栃木県にかけて線上降水帯が発生し、３県で３人の方が亡くなり、行方不明者４人を出す災害発生となりました。２日正午、長野県南部、伊那市から南の市町村に土砂災害警戒情報が発令されたことを受けて、村は、13時20分に高齢者等避難を発令し、基幹集落センター、文化センターを緊急避難所として開設し夜11時まで受け入れ態勢を維持してきました。また、各地区総代に１次避難所である地区集会所の避難開設準備をお願いしてきました。

　翌日までに判明した村道被災路線は大草桑原線、桑原中央線および神又谷田線支線の３路線が被災。土砂が道路に押し出し、路肩崩落するなどで一時通行止めになりました。県道西伊那線も土砂流出がありましたが、撤去し通行可能になっています。また、林道陣馬形線他３林道路線で崩落が発生し、通行止めにしています。

　時間20ミリメートル前後の雨が降り続いたため、各地域で水路から溢れ出し、水田畦畔崩落等を南向地区で被害を確認しておりまして、６月当初としては大きな被害が発生しました。また、小和田地区、北島の一部では、植えて間もない稲の苗が全面泥水につかり病気の発生が心配されます。

　５月31日開催の全国治水既成同盟会総会において、国土交通省水管理保全局長が来賓あいさつのなかで、地球温暖化の影響は、１時間雨量50ミリメートルを記録する回数は、40年前と比べ約1.5倍に増えているとして、治水の重要性を話されたとおりの現象になっていると感じています。今回の降雨に関しては、降り始めから降り止むまで31時間の中で、横前の観測点で総降水量235.5ミリメートル、時間最大30ミリメートルの雨量を観測しています。

　さて、本日の会議で審議いただきたくお願いしますのは、令和４年度一般会計および下水道事業会計明許繰越等４件の報告、専決処分しました税条例等の一部改正２件と令和４年度一般会計他５会計の補正予算、合わせて７件の承認を求める案件、条例の一部改正および令和５年度一般会計補正予算等６議案について審議いただきます。

　また、議会開会中に執行する一般競争入札の結果、落札者と本契約を結びたく２件の契約議案を最終日に上程したく考えております。

　コロナ禍の足枷が外れたとはいえ、経済活動を早期に回復するべく、村民生活全体にかかわる現在の経済情勢をご賢察いただき慎重なる審議の上、原案どおりお認めいただきますことをお願い申し上げ、開会にあたりましてのごあいさつとします。よろしくお願いします。

令和５年６月６日 中川村長 宮下健彦