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《村長の部屋》 令和5年3月議会定例会 開会あいさつ

記事ID:0008017 更新日:2023年2月28日更新

 おはようございます。令和5年中川村議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私にわたりご多用のところご参集賜り、誠にありがとうございます。

 今年の冬は、偏西風の蛇行が極端で、朝鮮半島上空からシベリアの寒気を呼び込む2つの流れが日本海上空で合わさり、日本海側の地域で大雪を降らせるなど一段と寒い冬でありましたが、立春を過ぎて次第に暖かくなり春に近くなっていることを感じさせるこの頃です。2月10日には南岸低気圧の通過で南信地方は大雪となりJR飯田線の運休、中央自動車道岡谷インターから南の閉鎖、国道153号の全面閉鎖などで交通網が麻痺しました。村内でも、国道153号坂戸の上り坂、南のむじな坂で大型トレーラーがスリップし停車するなど、大渋滞を引き起こしました。国道153号の代替道路としての竜東線の早期の改良開通が待たれる想いです。湿った重い雪は、農業生産施設、分けても耐荷重の小さいパイプハウスを押しつぶし、村内でも雨除けハウスなどに影響が出ています。定植、収穫時期の早いアスパラガス栽培ハウスの早急な復旧を考えております。

 新型コロナウイルスの感染は、年末から第8波の山を迎え、保育園、高齢者入所福祉施設などで感染が拡大し、基礎疾患のある高齢者等が多く亡くなるなど猛威を振るっておりましたが、マスク着用、手指消毒の徹底、換気などの個人個人の予防対策の徹底に加え、社会活動における人と人の一定の距離の確保等の取り組み、並びに5回に亘る集団ワクチン接種の結果、集団免疫が一定程度確保されたことなどで、新規発症者は激減してきています。長野県においても1日当たり300人から200人台に減少しておりまして感染警戒レベル3(上伊那圏域は小康期)に引き下げとなっております。

 新規感染者が減少し続けていることを踏まえ、政府は、感染対策の必須としていた「食事中以外のマスク着用の推奨」を削除し、3月13日以降の速やかな適用を都道府県に依頼しています。あわせて、「イベント開催等における必要な感染防止策」から「マスクの着用」を削除しました。ただし、イベント主催者等が感染対策上必要との判断した場合には、出演者又は参加者等にマスク着用を求めることが出来るとの依頼も同時に行っております。

 新型コロナウイルス感染が始まって3年を経過し、ようやく、中川村小、中学校の卒業式が地域の関係者の臨席の下、村民全体で門出をお祝いする事ができるようになりました。

 また、新型コロナウイルス感染症は5月8日から感染症法第2類から5類に位置づけが変わります。ただし、東京都では、新たな変異したウイルスが増殖中との報道もあり、集団免疫が失われていく時機に再び感染のヤマが来ることを警戒し、ワクチン接種の備えをおこなうよう村にも通知が来ていまして、令和5年度においても速やかなワクチン接種の体制の継続を医療機関にも要請しております。

 令和5年2月21日発表の内閣府月例経済報告によりますと、総論として、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している。」とし、景気の先行きについては、「ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって景気が持ち直していくことが期待される。ただし、世界的な金融引き締め等が続くなか、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染症の拡大の影響に十分注意する必要がある。」としています。発表の文面からは、コロナウイルス第8波の始まり昨年の12月からの毎月の月例報告と変わりがなく、景気回復の動きは鈍いものと想像できます。

 2月3日にJA上伊那の西村組合長はじめ営農・金融担当の役員のみなさんと懇談会を行い、昨年の農作物の作柄について報告していただき、意見交換を行いました。水稲はいもち病が少なく100%超となったものの、作柄がやや悪く、果実は自然災害がなく豊作型で終了。栽培きのこは、菌株と栄養剤の不適合で出荷量減産が大きく、花卉アルストロメリアは10月下旬の低温と11月、1月の冷え込みが影響し出荷量が少なく売り上げに影響しているといったものでありました。村の果樹生産の出来がよかった一方で、農作物全ての出来が良いわけではない実態を知ることができました。また、JAとして、高騰する肥料・飼料及び資材価格購入費5%支援対策、総額1億3千万円の支援を実施している旨の説明を受けたところです。

 昨年2月24日にロシアは隣国ウクライナに侵略を始めてから1年が過ぎてロシアの指導者は停戦を探るどころか、東部4州の親ロシアの人々をナチズムから護るため、ウクライナが降伏するまで戦争を止めないと侵略戦争を正当化しています。昨年12月16日政府は、中国の覇権主義的な行動が強まっている事態やミサイル発射を繰り返す北朝鮮の軍事力示威などの強まりを背景に、「専守防衛」から、敵基地攻撃能力保有を明示した安全保障3文書を閣議決定しました。ウクライナでおこなわれている戦争に目を向ければ、市民の住宅、病院はじめ稼働中の原発を占拠し、いまだに付近で爆発が起きるなど無差別な殲滅戦争となっており、相手の軍事基地、施設に限りこれを叩くなどはありえないことがわかります。東アジアの緊張を更に高めるものと考えるところです。

 さて、本議会でご審議をいただくのは、専決いたしました一般会計補正予算第7号について報告した後、条例案件8件、指定管理者の指定に係る一般案件1件、令和4年度一般会計、特別会計及び事業会計補正予算案が6件、令和5年度の一般会計予算案を初めとする特別会計及び事業会計が6件の合わせて21件の議案を提案いたします。

 令和4年度一般会計及び特別会計等の補正予算の議案は、燃油価格が高いまま推移している状態に加え、電気料金の急激な値上げを受けて、農業資材価格等高騰対策支援交付金、及び商工業者等原油価格高騰支援事業交付金の拡充をおこない、最高額を150万円に引き上げ農業資材価格等高騰対策支援交付金は200万円を追加補正します。

 また、新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用し、同じく光熱費の高騰により経営に大きく影響を受けている上下水道事業会計に対して合わせて630万円、高齢者憩いの家運営支援として600万円を計上し支援を行うとともに、中川観光開発株式会社につきましては、全国旅行支援、長野県観光クーポン等の支援もあり10、11月と経常利益はプラス(黒字)でありましたが、12月、1月と第8波の影響による宿泊のお客様が急減したことによる収入減に加え、2倍近い電気料金等で経費が嵩み再び損失月が続いていることを踏まえて、1200万円の営業支援を追加します。その他、地方交付税及び各種交付金、補助金額等の確定に伴う歳入の追加、事業費等の確定により不用額を整理するなどの補正予算の内容でございます。

 令和5年度一般会計予算、特別会計予算及び事業会計予算につきましては、令和5年度に注力する点を中心に「令和5年度施政方針」で改めてご説明させていただきます。

 今議会に提案します案件は21件と多くありますが、慎重なる審議の上、ご承認賜りますよう重ねてお願い申し上げ、議会開会のごあいさつとします。

2月28日 中川村長 宮下健彦