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《村長の部屋》 令和4年度予算提案と村政運営の基本方針説明

ページID:0006256 更新日:2022年3月1日更新 印刷ページ表示

 令和4年3月議会において、「令和4年度村政執行基本方針(施政方針)」を説明いたしました。
内容は以下のとおりです。


 それでは、令和4年度の予算の提案説明に併せて、村政運営の基本方針について説明させて頂きます。

(国の当初予算と地方振興対策)

 さて、国は令和4年度の一般会計予算案を示し国会で審議中ですが、2月22日衆議院本会議で原案どおり可決し、参議院で審議中であります。

 一般会計予算の規模は、107兆5,964億円で対前年度比0.92%、9,867億円増の最大の予算となっています。歳入の柱である、所得税等の収入は、コロナからの回復により、65兆2,350億円と前年比7兆7,870億円の大幅な増額を計上しています。公債金は36兆9,260億円と前年より6兆6,710億円圧縮していますが、特例公債(赤字公債)は、30兆6,750億円となっていて、昨年度予算より6兆5,810億円削減してなお、歳入の28.5%を占めるものとなっています。

 歳出のうち、一般歳出は67兆3,746億円で対前年度比0.7%、4,723億円増となっています。そのうち、社会保障関係費は、36兆2,735億円で前年対比4,393億円増となっていますので、一般歳出の増加分はほぼ社会保障費の増加分に抑えた内容となっています。

 新型コロナウイルス感染症対策予備費として、前年同額の5兆円を計上しています。

 令和3年度補正予算と一体として、新型コロナ対策に万全を期しつつ、「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」の実現を図るための予算としています。

 予算の特徴は、3つの柱からなり、その1つは感染拡大防止で、令和3年度補正予算において、医療提供体制の確保、ワクチン接種体制の整備、治療薬の確保等を措置するとともに、変異株による感染拡大等、予期せぬ状況変化に備え、令和4年度予算においてもコロナ予備費5兆円を措置したこと。

 2つめに、「成長」と「分配」の好循環による「新しい資本主義の実現」を図るとして、「成長」分野には以下の3点を挙げ、「分配」の中心に、新型コロナ医療対応等を行う医療機関の看護職、介護、保育、幼児教育などの現場で働く職種について、診療報酬等による対応を通じて、給与を3%引上げる内容となっています。

  1. 「科学技術立国」の観点から、過去最高の科学技術振興費(1兆3,788億円)を確保したこと。
  2. 「デジタル田園都市国家構想」の実現に向け、デジタル庁に、情報システム関係予算4,720億円を⼀括計上し、地方自治体の創意によるデジタル技術の実装等を幅広く支援する。
  3. 「経済安全保障」について、量子暗号通信の研究開発の推進や、重要技術の管理体制等を強化する。

 地方にとっての重大な関心事である総務省の令和4年度地方財政対策歳出のうち、地方交付税交付金は、総額で18兆538億円となり、前年比で3.5%、6,153億円と過去最高額が確保されています。国、地方の折半対象の財源不足が解消し、臨時財政対策債の発行は1兆8千億円と大幅に抑制されました。また、主な歳出項目として、地域デジタル社会推進費に2,000億円、公共施設等適正管理推進事業費に脱炭素化事業を追加し、事業費6,000億円を計上するなどとなっています。

(県の予算)

 一方、県の一般会計当初予算案は、1兆848億円と前年対比4.1%増(426億円)と過去最大の令和3年度予算を上回る規模となっています。

 新型コロナウイルス感染症対策に2,192億円と、令和3年度当初予算比34.5%(563億円増)、予算総額の20.2%を占めるコロナ対策を引き続き重点にしている特徴があります。

 予算編成の考え方として、令和4年度当初予算により最終年度を迎える「しあわせ信州創造プラン2.0」の総仕上げを図り、コロナ禍や自然災害等により基盤が揺らいでいる「確かな暮らし」を守る施策、脱炭素社会の構築などの継続する施策など6つの重点施策を推進するため令和3年度1月補正予算885億5,932万円と一体的に編成した15カ月予算であり、総額1兆1,735億円として編成したと強調しています。

(村の予算)

 変異して古いウイルスにとって代わり新たな感染拡大を繰り返す新型コロナウイルス感染症が今後も続くものとして、村民、村内の個人・法人問わずすべての事業者、園児、児童・生徒からお年寄りに至るまで、全ての人が感染症の影響を受け、現に生活も制約を余儀なくされる中で、新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種を開始しました。

 コロナ禍での村民生活の防衛、とりわけ経済支援を第一に、国・県の支援対策を効果的に予算に取り入れることに留意し、第6次総合計画に示された「10年後の村の姿」をそれぞれの分野で着実に進めることを基本に予算を編成しました。

 国が示している地方財政の見通し・予算編成上の留意事項に注視して予算を編成しました。財源の半分を占める地方交付税については、国の地方財政計画と現年の交付実績額をもとに増額を見込み、村税に関しても同様に堅く増額を計りました。

 新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の配当額を活用し、目的にあう分野の歳出に効果的に活用することに留意し予算計上しました。

 コロナ感染症の影響で、少子化が更に進み、相対的に進む高齢化、人口の減少のなかにあって、保、小・中の教育及び連携の在り方、高齢福祉サービス向上の効果的な施策、効率のよい公共交通の姿など将来につながる施策と予算配分に留意しました。

 令和4年度一般会計予算額36億7,000万円、前年対比6.1%、2億1,000万円の増額の予算でございます。

 国民健康保険事業会計は被保険者減に伴い、保険給付費等が減少したこと、介護保険事業会計は介護認定者の使うサービス内容により給付費が大きく変化しますが、総合事業と介護サービスを適正に利用することで、介護保険給付費の減額予想となったものです。

 公営企業会計の水道事業会計及び下水道事業会計の歳出ベースでの総額は7億7,000万円、前年度比1,406万円、17.4%の増額です。

 水道事業会計は、飯島町からの給水連絡管路工事、減圧弁工事および耐圧管緊急敷設替工事など配水設備工事費が増加することが増額理由であり、下水道事業は、マンホールポンプの更新、太陽光発電施設設置など工事請負費が増加したことによります。

 中川村第6次総合計画に掲げた、村づくりの4つの基本方針を、政策の大綱として分類した、1保健福祉分野、2教育・文化分野、3防災・減災・安全分野、4環境分野、5産業・経済分野、6都市整備分野、7行政経営分野の7つの分野に沿って、今年度特に力点を置きすすめる事業を中心に施策説明させていただきます。

1 保健福祉分野「誰もが自分らしく暮らし続けることのできる“なかがわ”」

  1. 少子化が進んでいます。令和4年度の園児数は、みなかた保育園58人、片桐保育園85人が予想される中で、年齢に応じた保育士の確保を行い、保育室のLED化、トイレの洋式化など保育園施設の整備充実を図ります。
  2. 一般社団法人ソーシャルファームなかがわが行う訪問相談(包括的相談支援業務)を充実していきます。
  3. 高齢者福祉サービスについて、
    1. 村単高齢者補聴器購入補助単価を引き上げ、10万円を上限とし、精度の高い補聴器の装着をすすめることで、認知症予防、社会とのつながりのある生き生きとした生活を送ることができるよう制度を拡充します。
    2. 高齢者の足を確保するため、日中一人になられる高齢者の方に、福祉タクシー券を12枚から倍の24枚に引き上げタクシー利用を促進します。
  4. 高齢者グループホームの入居者のうち、利用者負担段階が第1段階から第3段階までの方は、施設側で居住費軽減をしています。該当者入居費を1人につき1日1,000円を助成し、入居施設の負担軽減を図ります。

2 教育・文化分野「悠久の歴史の中に人と文化が息づき郷土愛を育む“なかがわ”」

  1. 中川村の子どもたちの学びを保障するために、小学校の理科専科の先生を確保するように努め、中学生時代の広く視野を外に向ける機会としての北海道中川町派遣を希望者全員が体験できるよう予算支援します。また、ICT教育の推進、空調機器未設置の教室に空調設置等、学校教育施設の環境整備を引き続き行います。
  2. 平成10年建設の文化センターの機器類が技術革新に合わなくなっています。大ホールの音響等操作機器、視聴覚室のパーソナルコンピュータ(PC)操作による音響・投影機器がそれです。次年度以降の舞台照明全面更新に先んじて、音響設備を更新し、更新経費の分散化を図ります。
  3. 令和元年5月「中川村歴史民俗資料館周施設検討委員会」が歴史民俗資料館周辺施設整備の答申を教育委員会に対して行っています。歴史民俗資料館の増改築のため、設計費を今年度計上し来年度以降の工事に備えます。
  4. 日本で最も美しい村にある、唯一無二の「アンフォルメル中川村美術館」は収蔵作品とともに、個性的な建築が異彩を放つ貴重な美術館です。建築構造が複雑なため、雨漏り対策、木質部の劣化対策には数年間多額の経費を投入して改修してきましたが、アトリエ棟の雨漏り対策、鉄骨塗装および収蔵室の空調対策を施し大きな修理を終えます。また、指定管理者の代表に自治体の美術館館長として活躍された方を迎え、地方の自治体の美術館として展示や発信を企画していただくことを考えています。アトリエ棟の改修事業費、美術館指定管理料を増額計上しました。

3 防災・減災・安全分野「誰もが安心・安全に暮らすことのできる“なかがわ”」

  1. 中川村消防団員の年報酬の引き上げ、出動報酬の改定を規定する条例改正が可決されましたので、消防団員の活動に対しての年報酬総額、訓練および災害警戒・防止等非常時の出動等に対する報酬額を予算化し、上伊那広域消防の装備充実など、必要な負担を行います。
  2. 昨年度村消防団第2分団7部の詰所の改修工事で整備が一通り終了することを受けて、片桐中央地区の旧6部詰所を解体し、跡地に片桐水防倉庫を新設し資器材の備蓄拠点とします。
  3. 交通事故に見舞われた時の互助補償制度である、南信地域町村交通災害共済掛金(1人200円/年)を、昨年までは0歳児から高校生までを全額村負担としていましたが、今年から村民全員が補償対象となるように、全額村負担とします。

4 環境分野「多くの自然に育まれ持続可能で快適に暮らし続けられる“なかがわ”」

  1. 2050年までに温暖化効果ガス排出を実質ゼロとする温暖化防止計画に沿って、排出二酸化炭素および使用電気料削減のため、公共施設の照明を順次LED化しています。令和4年度は保健センターおよび片桐保育園の照明をLEDに変えます。
  2. 生活資材や生産資材としての竹の利用が少なくなり、放置された竹林が目立ち、山林にも竹の進出が目立っています。荒れた竹林に手を加え除伐、皆伐して地域の景観を保持していくため竹林整備に対しての補助制度を創設します。個人または地域一体で自ら整備する場合、個人等が専門事業者に依頼して整備する場合に分けて村が支援する制度であります。制度を村民や地域に知っていただき、村全体で竹林と向き合う原点とするため、基礎となる予算を計上しました。また、山林の荒廃防止やカーボンニュートラルの面から、新たに薪ストーブの設置についても補助を始めます。

5 産業・経済分野「いつまでも働き続けられ活気あふれる“なかがわ”」

  1. 中川村の農業の担い手となる農業者の支援・育成を目的に村単農業担い手支援事業を作り、これまでに個人・法人等19経営体に上限補助金100万円として総額19,050千円の支援をし、それぞれのみなさんの農業に役立てていただいてきました。しかしながら、省力化と効率を追求する農作業用機械類は大型化し、高額となり、水稲コンバインにあっては、1,000万円を超える種類も出てきており、補助金額の上限について検討を要することは感じてきました。
    米の価格が下落しているなかで、米つくり、水田の維持を地域が真剣に考える時期に来ていることと相まって、水稲の刈り取りを中心的に担う地区営農組合や法人組織の米作コスト削減の目的に限り、機械類導入の補助額を300万円に引き上げます。また、小さく、圃場に入りにくい農地や、排水の悪い農地などを改善し、耕作しやすい農地に変えるため簡易な土地改良や、豪雨などにより被災した農地などの小規模の復旧などに対する補助制度に改良し、基礎となる補助金額100万円を予算化しました。個人・法人問わず圃場条件改善について、営農組合単位で話し合い、耕地林務係、農業振興推進員に問合せいただくことをお願いいたします。
  2. 創業を考える者に対しての支援や、既存の商・工業者全体の振興のため、今制度としてある支援制度を整理し、拡充した産業振興事業補助金制度を設けます。支援制度それぞれに数件の応募を想定し、基礎金額280万円を計上しました。農業観光交流センターが窓口になりますので、お問い合わせいただき、利用できるよう補助制度も育てていっていただきたいと考えます。
  3. コロナ禍の村民生活を支え、商工業者の消費拡大で支えあう「第4弾なかがわ生活応援商品券事業」(7千円で1万円分の価値のある)規模額1,670万円、および中川村観光協会主体で発行を予定する「なかがわ観光クーポン」(1,000円で、1,500円分の価値のある)に対する負担金110万円を予算計上します。第6波の経済不況は、生活者だけでなく、飲食・宿泊観光業のみなさんに対して影響を続けているため、年度当初予算化し切れ目のない村民支援を行います。
  4. 令和3年度に村の産業の現状、消費経済の流れを分析し、これからの産業育成のポイント、効果的な村の施策方向を考える基礎調査「地域経済循環分析調査」を行っており、年度末までには報告がまとまります。地域経済循環分析調査報告をもとに、農業・商工業、観光宿泊業の進展と関連する地域での有り方を総合的に捉える」「地域活性化計画(産業振興計画)」策定に取り組みます。

6 都市整備分野「生活基盤が整い快適で暮らしやすい“なかがわ”」

  1. 天竜川流域治水事業の注目の一つとして、リニア中央新幹線建設工事発生土と小渋ダム堆積土を埋めて基盤とし、その上に耕土を盛り農地を嵩上げし水害のない、耕作条件の整備された土地に変える事業が本格化します。まずは、天竜川堤防かさ上げ影響範囲などを確定し、土地改良区域を決める工程を進めます。リニア中央新幹線関連事業費として、4,512万円を予算計上しました。
  2. 若者専用住宅である「アルプスハイツ中組」は建設から19年経過しており、施設を良好な状態で維持するため、外壁の修繕と、老朽化した給湯設備の更新を行います。
  3. 中川警察官駐在所が牧ケ原に新設開所するのに伴い、旧片桐駐在所の建物を無償譲受し、若者向け移住促進住宅として改修し、住居を希望する若者の住まいを確保します。
  4. 村営巡回バス運行事業は、改良を重ねながら村民の足となるべく運行しています。しかしながら、高校生の通学利用、決まった通勤利用は需要があるものの、昼間の乗客が激減しています。乗員は時刻を守り運航していますが、朝の通勤便を除くと「空席運航」が目立っており、前日予約の乗り合いタクシーの当日予約・運行の要望も高まるなかで、
    1. 「NPO法人やらまいか」に委託していた巡回バス運行を村の直営として運行を始めます。
    2. 朝夕の巡回バス運行は確保し、昼間の巡回バス運行に替わるべく、乗り合いタクシーの効率よい運行を目指し、新技術を活用した運行の実証実験を10月から開始する予定です。

7 行政分野「村民への行政サービスを維持しつつ持続可能な“なかがわ”」

  1. 中川村DX推進計画を策定しました。目的は、デジタル技術等の活用により、住民の利便性を図るとともに、行政事務の効率化が図られるよう計画的に取り組むためです。DX推進部署である総務課広報情報係にDX推進員を置きDX化の推進を行います。また、巡回バス運行を直営化するのに伴い、地域政策課に担当部署を替え担当者を配置します。
  2. 観光交流センターの任務を増やします。ふるさと応援寄付金事業の窓口をここに一本化し、交流センター長を産業振興課長兼務とし、センター事務局長としての任務を担う商工交流係長を置くとともに、商工担当係長を配置します。
  3. NPO法人日本で最も美しい村連合に加盟して12年が経過します。昨年12月の再審査で今までの取り組みが評価され「A評価」をいただき審査通過となりました。村民自らが、また、村の提起に応え美しい村づくりに励んでいただいた賜物と感謝します。陣馬形山からの景観、四徳の景色など魅力あふれる地域を美しく維持しつつ、身の回りの地域も美しく維持するため、さまざまな村の補助制度を利用していただき、地域一体となり「美しい村なかがわ」の維持存続をお願いします。

 以上、新年度の行政運営に当りまして、重点と考えております事業について、分野にまとめて申上げました。

 引き続き、村民ならびに議会の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いし、令和4年度村政執行の基本方針説明とさせていただきます。

令和4年3月1日
中川村長 宮下健彦


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