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《村長の部屋》 令和3年12月議会定例会 開会あいさつ

記事ID:0005839 更新日:2021年12月7日更新

 中川村議会12月定例会の開催をお願いいたしましたところ、議員各位におかれましては、それぞれご多用のなか、全員、定刻にご参集をいただきまことにありがとうございます。開会にあたりまして、1年前の定例会で行いましたご挨拶を振り返り、当時の状況と、今日との比較をしてみました。

 先ずコロナの感染状況です。1年前は「第3波は上伊那地方にも及び、11月7日以降、連続して発症者が報告されております。村でも2名の感染報告がされましたが、濃厚接触者を追跡し、PCR検査250検体余を行ったところ、終息に向かうものとの判断を上伊那地域振興局ではしています。直近の1週間の感染者が引き上げ基準となる18人を超えていないことから、警戒レベルは3に据え置いているものの、誰もが感染する可能性がある状態は依然として続いていることに変わりはなく、感染予防の基本を守る生活を続ける必要があると感じています。」と申し上げました。今は、1年前の第3波と比べようもない第5波を経験し感染者25,000人超、死亡者65人、重症者2,223人の最高値を記録し、医療入院はパンク寸前、自宅療養中に、手当されることなく死亡する方も続出しました。しかし、実効再生産数は、7月下旬の4連休後、感染者増加や医療逼迫の状況の報道が危機感をもって行われた結果、人々の行動変容が起きたこと、ワクチン接種者が経時的に増加し、免疫を獲得する人が増えたことも終息や沈静化している現在に繋がったとの見方がされているようです。

 気がかりは、年末年始に掛けての人々の行動変容が気の緩みで元に戻ることと、アフリカ南部で見つかったとされるオミクロン変異株は感染力がデルタ株より強く、免疫が認識できるか不明であること、重症化も不明なものであり、日本での感染拡大もあり得るため、政府は、11月30日午前0時から1ヶ月間の外国人入国禁止措置を執り、1日当たりの入国者数を5千人から3千5百人に制限するなど水際対策に踏み切りました。30日にアフリカ南部の入国者1名からオミクロン株の感染が確認され、続いて2例目の感染も確認されました。更に、昨日イタリア滞在歴のある日本人の感染が初めて確認されたことで、3人目のオミクロン株の特定となりました。

 今や、世界で40ヶ国を超える国々が入国の制限・禁止や、入国後24時間以内のPCR検査の義務づけなどの厳しい措置を採ると共に、人の集まりにも制限を加えるなど拡散防止、封じ込めを行っています。

 日本は、日常生活でのマスク着用、手指消毒、十分な換気、密集を避ける集まりの工夫呼びかけに従い、ここまで新たな発症者を押さえ込んできましたが、引き続き自らの行動を律することを続けていかなければなりません。

 経済活動の活発度を図る伊那公共職業安定所の公表有効求人倍率の比較では、今年10月が1.52倍で昨年10月比0.68ポイントプラスと大幅に改善し、南信平均1.45倍を超えています。産業別新規求人数は、管内1,431人と前年同月30.8%増と底を記録した1年前からはかなり回復しています。また、「製造業」、「宿泊業」・飲食サービス業」、「医療・福祉」、「サービス業」で前年同月を上回りました。

 中川観光開発株式会社の経営状況につきましては、令和2年7月1日から令和3年6月末日までの第51期事業報告及び決算報告について、後ほど説明させていただきますが、村から委託管理料として12月に10,900千円、今年の5月に15,000千円の合計25,900千円の支援を頂いたほか、運転資金の確保のため総額15,000千円の増資を行い、村から10,000千円株券を購入していただくなど篤い財政支援を頂いたにもかかわらず、結果として7,830千円の赤字となってしまいました。今期(第52期)も、7月以降新型コロナ第5波の影響により、学生合宿を含めて繁忙期である夏季の宿泊利用者等の大幅減により厳しい経営状況が続いておりますが、第5波の終息、沈静化に合わせて、首都圏や中京圏から、また、県内からお客様が来られる動きが始まりつつあり、12月から年始にかけての宿泊・小宴会等のお客様をしっかりと掴むべく、毎月の売り上げ目標を立て、結果の分析と翌月の計画をたて、取り組むことを始めております。

 農業につきまして、果樹については4月の凍霜害により、リンゴはサビ果、収量減となった梨園が多く、JA上伊那は、サビ果を集荷、箱詰めし、「訳ありフジ」として販売を考えているようで、村としても若干の支援をしていきたいと考えております。

 令和3年産米の作柄は、出穂期直後の長雨などにより作況「97」となりました。令和3年産新米の販売状況は、需要減少が進む「コメ離れ」に、2年つづくコロナ禍が追い打ちをかけ、コシヒカリ1俵13,800円(前年比▲1,200円)の販売となっているようです。影響は深刻で、大きなコメ農家ほど収入減となることは必至で、今後も影響は続くことに対して村としても対策を考えなければならないと思っています。

 10月23日には、1年延期した「なかがわ産業祭」がチャオ周辺で開催されました。商工祭、収穫祭を従来のように、2つのそれぞれの催しを合わせた規模でとはいきませんが、とにかく、できることを工夫して、賑わいを呼び起こすことで目的は果たしたのではと考えます。来年度は初回の開催を踏まえて、中川村の産業の特徴を生かした産業祭の開催が期待されるものです。

 今年度から、テントサイトを有料化した陣馬形山キャンプ場は11月23日をもって今年の営業を終了しました。宿泊したキャンパーは4,211人で初期の計画を大幅に上回りました。桑原キャンプ場は、施設を順次改修中ということもあり、利用者は2,165人ほどの実績であります。

 本日の会議には、中川観光開発株式会社の経営状況についての報告1件、工場立地法の緑地面積率等に関する準則を定める新設条例、奨学基金条例の一部を改正する条例の2議案と、令和3年度中川村一般会計補正予算及び後期高齢者医療特別会計補正予算並びに下水道事業会計補正予算の予算にかかる議案3件について審議をしていただくものであります。

 補正予算に係る議案は、コロナ禍の影響で個人村民税、固定資産税の減収を厳しく見積もっていたところ額が確定したこと、新型コロナウイルス感染症対応地方創生交付金を利用し、村民の消費喚起するなかがわ成生活応援商品券負担額を計上し、また、ふるさと応援寄付金の予想を上回る見通しの中で、次年度以降に繋ぐため基金を積みあげることなどが主な補正する内容でございます。

 もう一つ、国の令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金支給事業成立を受けて年内支給ができるように、併せて3回目の新型コロナワクチン接種に係る予算、増水で大きく破損した天竜川北島頭首工復旧工事費等を7号補正予算案として最終日に議案提出を予定しております。

 この時点でどうしてもお認め頂かなくてはならない議案でございます。何卒慎重なご審議のうえ、全員のご同意を賜りますようお願い申し上げまして、定例会開会のあいさつといたします。どうか、よろしくお願いします。

令和3年12月7日 中川村長 宮下健彦