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《村長の部屋》 令和3年6月議会定例会 開会あいさつ

記事ID:0005030 更新日:2021年6月7日更新

 おはようございます。本日は、議員各位におかれましては、ご多忙のところ令和3年6月中川村議会定例会にご参集賜り、誠にありがとうございます。

 4月の中川村長選挙では、コロナ禍での初めての選挙で、村民の皆さんに政策を聴いていただき、質問・討論するという形ができずに掲げた政策について理解いただけたかという思いは常にしておりました。無投票で当選させていただきましたので、議会の場であらためて掲げた政策、1期4年間村政を舵取りして参りまして、これから重点として取り組みたいことに限って申し上げ、村民の皆様にもお聞きいただき取り組みの重点を知っていただきたいと思うところでございます。

 切れ目なく対処すべき第一は、コロナ対策です。かつて経験したことのない未知のウイルス感染症に晒され、近い距離での会話、接触、経済活動、レジャー、学びなど社会活動全般に大きな制約がされ今も続いております。新型コロナウイルスを撲滅することは不可能であり、共存することしかないことも知りましたが、人の免疫機能に働きかけるワクチン接種を、希望するすべての村民の皆さんに接種ができるよう、村内医療機関等の皆さんのご協力をいただきながら計画的に進めてまいります。

 業種により差はあるものの製造業については、かなり回復してまいりました。一方、飲食業、宿泊観光業はいまだに回復どころか、入客がないため事業を続けることに四苦八苦されている事業主が多くあります。コロナ対応臨時創生交付金を活用し、村単独費も加えて支え続けます。ワクチン接種が進む欧米では、飲食を楽しむ風景が放映され、劇場、映画館も再開されているようですが人の動きが再び許されるまで続ける考えでおります。

 農業観光交流センターの開所にこぎつけることができました。スタートラインに立ったところです。アスパラ、有機栽培野菜の収穫体験企画、なかがわウオークラリーなどコロナ禍でも親子で楽しむことができ、かつ農業を結び付ける企画を打ちながら「中川旅の案内所」としてのもう一つの観光の入り口としての機能も始めております。個人、家族や友人といった小さい単位であってもセンターに立ち寄り、中川の農業、観光、特徴ある工芸産業などに興味を持って入っていくハブになる役割が果たせるよう進めるとともに、中川の商業の中心でもあるチャオ周辺に人が集まり、再び賑わうように周辺の再整備も検討して参ります。

 地域内経済循環調査分析を行い、中川全体の観光の将来計画、商工業の進展の方向など中川村全体を捉えた「それぞれの産業の振興指針」となる取り組みを行います。

 2015年の国勢調査から5年後の国勢調査速報値が示されました。村の人口は4,600人台にまで減りました。5年間で240人の人口減少です。コロナ禍ということもあり本年度の出生児は推計ですが15人ほどの少数と思われます。第2期中川村まちひとしごと創生総合戦略は、「地方に仕事をつくり、安心して働けるようにする」、「地方への新しい人の流れをつくる」、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶える」ことを目標の中心に据えてそれぞれ戦略を立てて取り組みを進めています。しかしながら、国勢調査の速報に数値として表れているのは人口減少に抗う難しさ困難を予言しています。一方、空き家等を求め役場に相談に来る人は、若者から退職後の方も含め多くの方が相談に訪れており、求める住まいが見つかれば、あるいは、手直ししても住むことを決められれば移住者は増えることが考えられます。状態の良い空き家は、価格等にもよりますが取引されています。

 空き家の活用について、不動産事業者、所有者とも連携を密にして活用することを進めます。空き家相談会などの取り組みを行います。また、価格等で手が出せない空き家を村が取得し、賃貸ののち適正な価格で売り渡すこと、分譲地も賃貸住宅を建てて、希望者に払い下げるなどのことも実行に移す時期にきており、この点を大いに進めてまいります。

 昨年度、戸建て村営住宅アルプスビュー沖町1戸を入居者への希望調査により、譲渡しました。この方法も大いに進め、地区に若い人、子供たちの定着を促していきます。

 地方に仕事をつくるきっかけとなるシェア・オフィスを上前沢地区に整備をしました。美しい村連合サポーター企業に中川村ふるさと応援団員の個人企業がおります、こういった方々と連携して、中川村体験企画を再び実施するなかで小さくても仕事の拠点を中川村に移す個人、事業者を拾い出す地道な取り組みを続けます。

 働く場所があって、「住みやすい、子育てしやすい中川村」といえますので、既存の企業の発展につながる支援を行い、雇用のフィールドを広げること、新たに起業する人の支援を大きく行うことなども検討します。

 子どもの数が減っていくことで、子どもどうしの交わり、遊ぶ経験が少なくなることで、健やかに成長していくための様々な体験の機会が少なくなることが危惧されます。学びの場である学校は、同年齢の学級集団をある程度の人数で形成しつつ、保育園から小学校低学年へスムーズに移行すること、小学校高学年から中学校への教科学習のつなぎなど、小学校等の適正規模、中川村ならではの特色ある義務教育のあり方についての検討に着手します。

 小さい規模だからこそ実現できる学びの深さを追求したいと考えています。わかることの積み重ねで楽しくなる数学や、体験を通してのおどろきや発見が探求心を育てる理科など専門教科の先生を招聘できないかと考えており、県内の大学との連携ができないか道を探ってまいります。

 系統的な学びを行うだけでなく、子どもの成長を食の面からきちんと保障したいと考えております。地元農産物を子どもに大いに食べてもらいたいとの思いで、学校給食に農産物を提供する生産者組織の協力で、食材費で5割を超える地場の野菜等を提供していました。このかつての取り組みをもう一度復活させ、地元産の農産物の学校給食消費比率を高めます。主食であるコメ、出荷用でなくても栽培に配慮した野菜や果物などを供給し、食を通じて子どもの成長を支えたいと思います。この取り組みは、小さくても、農家の支援につながればと思うところです。

 改めて言うまでもなく高齢化が急激に進み、一人住まいの高齢者、高齢者のみの世帯が増えておりまして、このことは当然の流れで、我々の世代も十数年後は仲間入りになります。問題は、住み慣れた地域でできるだけ元気に過ごせるか、その個人と世帯を地域が日常生活でも、災害時等の緊急時にも対処し支え続けることができるかだと思います。地域の力に頼る、地域共生の福祉社会を作ることができるかであり、当面は、包括支援センターが南向、葛島、片桐といった単位の地域と連携し元気な高齢者を支える仕組みを実際に動かして、地域の皆さんにも一緒に参加し高齢者を支えることをきちんとやっていきます。

 いずれ、住み慣れた地域での生活ができなくなることが来たとき、どのような住まいも含め生活ができるのかを土地利用も含めて検討する時期だと考えています。高齢者や高校生などの病院や通学の足である中川村公共交通も見直す時期に来ています。現交通体系の改修・改良では、激減する利用者、高齢者等の外出にすでに合わなくなっていることを感じており大胆な改良を行います。

 産業の成長と生活様式の変化など、地球は確実に温暖化しており、気候変動、異常気象となって各地で災害を引き起こしています。

 太陽光、太陽熱、木質バイオマスなど、再生可能エネルギーの村における生産と消費、中川村所有施設の省エネルギーへの改修を急ぎます。当面、出発した木の駅の仕組みを活性化させ、薪の搬出と消費を増加させます。消費を促すため、薪ストーブ導入補助の仕組みを考えます。

 リニア中央新幹線工事が、長野県側である南アルプストンネル工区では予定通り進んでいて、トンネル排出土が喬木村の工業団地基盤土として、長野県駅造成により、住宅移転地の基盤土として運搬されています。

 県道半の沢橋にかわる、半の沢地籍の県道大規模盛土の基盤土としての造成を条件を付けて同意いたしました。
今もそうですが、渡場沿線の住民の皆さんは、大型車両の通行による振動、エンジン音などに悩まれている方がおります。運搬車両の急激な増加で交通渋滞や、排気ガスなどの環境の悪化が心配されますし、小和田地籍の農地嵩上げが始まれば、竜東線沿線の地域の皆さんの日常生活や安全にも影響がでないとも限りません。本格的な発生土運搬の前に、また、小和田地区への運搬の前に通行の安全対策、環境悪化が起きないように関係機関に働きかけて参ります。

 以上、2期目の重点の取り組みを申し上げました。政策として掲げたことで触れなかったこともありますが、事業実施の際には少しずつ具体化し実行に移して参ります。

 さて、本日の議会で審議いただきたくお願いしますのは、令和2年度中川村一般会計繰越明許費繰越計算書等2件及び中川村土地開発公社の経営状況についての合計3件の報告と条例改正案等4議案と令和3年度一般会計、特別会計補正予算の3議案のあわせて7議案でございます。

 また、本会議最終日にはコロナ禍で依然として客が戻らず、営業のピンチが続いています飲食業者の皆さんを対象にした緊急飲食業等営業継続助成、5月21日豪雨災害で被災した農業用施設、林道、村道災害復旧関係からなる補正予算を審議いただきたいと考えております。

 更に、副村長の選任をはじめ教育委員の選任そして、農業委員の選任についての人事議案をご審議いただきたいと存じます。

 一般会計の補正予算は早くも2号(追加の議案も含めると3号)となります提案ですが、コロナ禍の中での急を要する実情をご賢察いただき慎重なる審議の上、原案どおりお認めいただきますことをお願い申し上げ開会にあたりましてのごあいさつとします。 よろしくお願いします。

令和3年6月7日 中川村長 宮下健彦