ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 村長の部屋 > 《村長の部屋》 令和3年3月議会定例会 開会あいさつ

本文

《村長の部屋》 令和3年3月議会定例会 開会あいさつ

記事ID:0004615 更新日:2021年3月1日更新

 おはようございます。
 中川村議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私にわたりご多用のところご参集賜り、誠にありがとうございます。

 新型コロナウイルスの感染は、一昨年12月8日にWHOからはじめての感染者が発表されて以来、次の表のとおりとなっております。

  感染者 回復者 死亡者
全世界推計 1.14億人 6,440万人 253万人
日本 42.6万人 40万人 7,541人
長野県 2,359人 2,317人 40人

 菅首相は、関西、中京、九州の2府4県の緊急事態宣言を2月28日に解除しました。感染再拡大の懸念は拭い難く、各府県は飲食店の営業時間を1時間延長して夜9時までの営業を継続との報道がありました。

 首都圏の1都3県は引き続き緊急事態宣言を継続しており、解除または延期の判断目安の3月7日まであと1週間となりましたが、新しいタイプのウイルスが拡散中であり、感染者が増加傾向にあることや、入院医療がひっ迫していると首都圏の知事は述べています。

 長野県について、保健所単位に見ますと、伊那保健所はじめ4保健所管轄区域で入院患者はゼロ。伊那保健所管内では36日間新たな感染者は出ていませんでしたが、26日に2人、27日に1人と複数人確認されています。

 県は16日に警戒レベルを1に戻しましたが、緊急事態宣言中の首都圏との往来を控え、会食の際の感染防止、人との距離の確保、マスク着用、手指消毒などの基本対策の徹底を引き続き呼び掛けており、まだまだ気を緩めることなく原則的な予防策を行う必要があると考えています。

 12日、ファイザー社製造の新型コロナウイルスワクチンの使用が承認され、医療関係者から接種が始まっています。続いて、65歳以上の高齢者に接種し、やがて国民全体へ接種を拡大することとしていますが、4月中旬から高齢者接種を開始したいとの計画に対して、6月末までには高齢者接種が完了する量の確保ができる見通しであるとの政府発表がありました。

 高齢者接種を終える先が見えたことで、集団接種の出口と、続いての個別接種への移行も先の見通しが立った気がしますが、ワクチン入荷量や都道府県への配分量は少なく、予定通りの配分がされるか確実な見通しが立っていません。

 村は、上伊那医師会の協力を得て、南向、片桐両診療所のドクターと看護師、薬剤師さんなどの支援をいただき、効率の良い接種を行うために「社会体育館での集団接種」を基本に準備を進めております。計画通りにいかないことも想定して進める必要があると思っています。

 年末から年始、そして現在に至るまで、飲食事業者や関連卸売り事業者、そして、観光事業者は営業の底が続いていますが、県の経済対策の再開に合わせて徐々に動きが出てきておりまして、感染防止の対策をとりつつ、安心してお客様に来ていただくよう舵を切る時期がきているものと考えます。

 令和3年1月発表の内閣府月例経済報告によりますと、「景気は新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きが見られる。」と分析をしていますが、1月29日に長野労働局から発表された最近の雇用情勢では、「雇用情勢は、新規求人の改善が進んでいるものの、なお弱い動きが続いている。」と分析しています。

 地域別有効求人倍率では、ハローワーク伊那管内が、1.04倍とようやく企業求人が求職者数を超えましたが、まだまだ、求人・求職双方のマッチングには開きがあります。

 上伊那を中心とした「伊那谷・経済動向」なる四半期ごとのアルプス中央信用金庫発表の中小企業景気レポートによりますと、来期の見通しも業種によりさまざまで、「景気の好転に楽観視はできない」ものと感じております。

 村内における製造業は、業績の回復した企業もあれば、再開の目途が立っていないスポーツ競技大会や、イベント関連に特化した製造業もあり、経営継続が心配な企業もあります。

 飲食の安全な提供をしつつお客様の要望に応えるテイクアウトの工夫など行う事業者の努力に対して、本年の第1回臨時会で新型コロナウイルス感染症対応飲食店等事業継続給付事業をお認めいただき、給付申請と早急な給付金支給を行っております。

 一方、観光事業者は依然厳しい操業を強いられています。中川観光開発(株)では、年末年始にかけての宿泊、忘・新年宴会などの需要がコロナ感染第3波と重ったことで、12月から3月にかけて月損失は500万円ほどの赤字経営が続いています。宿泊・宴会部門は全く振るわず、宿泊業は1月から2月19日まで一時停止しました。食堂・風呂部門は持ち帰り弁当の工夫などから昨年の9割まで回復しています。望岳荘が、検温・手指消毒など徹底しているという入浴客の評判も次第に広まりつつあることなどから、お客様を少しずつ呼び戻すべく対策を講じています。

 このような人の動きや経済活動にも制限を加えるコロナウイルス感染症の拡大の中で、国は3次にわたり、新型コロナウイルス感染症対策に特化した地方創生臨時交付金を交付して支援しております。村に対しては、総額3億5,126万1千円の交付内示がありました。内、第3次交付金は地方単独事業に対する交付金として9,592万1千円の追加があり、令和3年度に交付がされます。

 密集を避け、換気を徹底した村の業務や、商工業者のみなさんの借入金利子補給などさまざまな村の支援策を支える交付金であり、コロナ禍で税収の落ち込みが確実なこと、また、ICT機器類の調達、施設の整備には多額の費用を要することなどを合わせて考えますと、非常にありがたいこととして受け止め、有効に使用してまいります。

 さて、本議会でご審議をいただくのは、条例案件が8件、令和2年度一般会計、特別会計及び事業会計補正予算が6件、新年度一般会計予算を初めとする特別会計及び事業会計が6件、合わせて20件の議案でございます。

 地域活動支援センターは、長年開設の構想に留まっていましたが、受託していただける組織ができ、担当者も決まった事を受け、また、施設も地元のみなさんをはじめ、マレットゴルフ愛好者の理解も得て、施設改修に着手し設置条例を定め、ようやく具体化できる運びになりました。

 農業観光交流センターは、農業振興だけでなく、村の観光の入り口として、また、商業施設チャオの一角に開設することで、訪れる人の賑わいにも貢献するものとして開設準備を進めており、4月の開設を前に設置を条例で定めるものでございます。

 介護保険につきましては、高齢者の増加が令和7年(2025年)まで増加が確実とみられること、また介護施設給付費等が増加をしていること、および介護報酬改定などから、介護保険料の値上げは避けて通れません。令和元年度には、不測の事態に備えて福祉基金から3千万円の支援をお認めいただきましたが、令和3年度から始まる3か年で基金3千万円を保険料にあて、料金引き上げを最小限度に止める保険料改正でございます。

 補正予算の議案は、翌年度に新規計上がふさわしい地方創生臨時交付金に対応する地方単独事業や災害復旧事業など多く、予算計上した事業費をまるごと翌年度に送るための減額を要するなど、年度末にあって、予算残額の調整に留まらない補正予算案となりました。令和3年度予算は施政方針で改めてご説明させていただきます。

 なお、最終日には、村固定資産評価審査委員の選任に関する人事案件を審議いただく予定でございます。

 多くの議案提案でございますが、慎重なる審議を賜りましてご承認いただきますよう重ねてお願いし、議会開会のごあいさつとします。

3月1日 中川村長 宮下健彦