《村長の部屋》　令和２年９月議会定例会　開会あいさつ

　おはようございます。
　中川村定例９月議会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、ご多用のところ定刻に参集いただき、誠にありがとうございます。

　猛暑つづきでありました８月を過ぎたところで、大型で勢力が非常に強く、特別警戒警報の発令を予告するほどの暴風、降雨が心配された台風10号も九州をかすめて朝鮮半島から大陸に抜けていく模様であり、通過コースに安堵を覚えつつも、先に上陸した台風９号により韓国、北朝鮮では水害がおき、情報が得にくい北朝鮮にあっても大きな被害が出ているところに、更に追い打ちをかけることになり、収穫目前の米などの穀物をはじめとした食料全般の危機的不足が心配されます。

　９月に入ると虫の音が聞こえ、朝晩の涼しさに秋の確実な訪れを感じます。
７日から籾の受け入れが始まるようです。長雨で桃の糖度が上がらず、幸水も割れ玉が多く、スイカも小玉、野菜のできも思わしくないとの声を聞いていただけに、米は豊作で味も良くと願いたいところであります。

　新型コロナウイルス感染症の広がりで、イチゴ狩りの入客の削減、サクランボ狩り、ブルーベリー狩りなどの観光農業は客の受け入れを中止した分、知恵を絞ってインターネット販売を展開したこと、自事業所等での直販の展開など、違う角度から販売を行った結果例年どおりとは行かないまでも、売り上げの確保はできたかと思います。ブドウ、リンゴもこれから収穫時期を迎えるにつけて、笑顔の収穫がされることを祈ります。

　新型コロナウイルス感染症の蔓延が沈静化する気配を見せません。長野県でも、上田地域に特別警報が出されたほか、佐久・長野・諏訪地域に警報が出され、長野県内感染者数も300人に迫る勢いです。また、亡くなる方も出ました。教育現場にも影響が出ています。６年生の修学旅行は県内へ、中学３年生は３月に延期した奈良・京都方面は難しくなったとのこと。運動会も距離を保った競技・種目を行い、保護者も２名までの参加といった制約があるようです。教室で一緒に学び成長する普段の学校生活が大きく制約されたのを期に、オンライン授業等新しいタイプの学習、教育を前に進める必要を感じるところです。

　日本経済も深刻な状況を迎えています。内閣府月例報告で４月から６月の経済成長は、年率換算でマイナス27.8％の減速と衝撃的な報告がありました。さらに再調査の結果、マイナス28.1％と下方修正がされたという報道もあり、加えて2018年秋から実際は景気後退局面に入っていたようでありまして、コロナが経済のマイナス成長を更に加速化させているというのが実態のようです。

　安倍首相は、難局に立ち向かうには、自身の体が持ち応えられないことを明らかにし、首相辞任することを記者発表しました。コロナ蔓延防止のための検査、ＰＣＲ検査機会の飛躍的な拡大、発症患者の安心した受け入れ先の確保、医師、看護師など医療スタッフの頑張りに応える医療支援、出口が見えない観光産業に対する抜本的な施策など次期政権には早急に取り組みを願いたいと思います。

　さて、本議会で審議いただくことは、１つは、中川村特別運転資金利子補給積立基金条例の制定について、太陽光発電施設の設置等に関する条例の制定についての新設２条例の他現行条例の一部を改正する条例２件の条例案件の計４件の議案を審議いただくこと。

　２つ目に、平成31年度中川村一般会計歳入歳出決算及び国民保険事業特別会計をはじめとする５つの特別会計歳入歳出決算並びに水道事業決算の７会計の決算を審議いただくこと。

　３つ目が、令和２年度中川村一般会計補正予算及び国民健康保険、介護保険特別会計補正予算を審議いただくことであります。

　いずれも、前年度繰越金が確定し、また、地方交付税や補助事業などの額が確定したことに伴う予算補正であります。

　そして最終日になりますが、新型コロナウイルス感染症対策として、地方創生臨時交付金事業に係る補正予算、重要な人事に関して提案させていただく予定であります。また任期満了を迎えます中川村教育長、教育委員１名の任命議案を審議いただく予定でございます。

　前年度会計決算につきましては、一昨年の同会計に比して歳入・歳出とも額が大きく上回り、事業数も増えた結果、更にボリュームのある決算になっております。年間の取組みの到達点、成果と今後の課題も含めて担当部署から丁寧な説明を心掛けてまいります。

　今議会で上程いたします全ての議案につきましては、慎重な審議の上に、賢明なご判断を賜わりますようお願い申上げ、議会開会のご挨拶といたします。

　令和２年９月９日 中川村長 宮下健彦