《村長の部屋》　令和元年９月議会定例会　開会あいさつ

　おはようございます。
　中川村定例９月議会を招集致しましたところ、議員各位におかれましては、ご多用のところ定刻に参集いただき、誠にありがとうございます。
　猛暑つづきでありました８月を過ぎ、台風一過の暑さのぶり返しもここ数日のことと思われ、朝晩の涼しさを感じられるようにもなり、収穫の秋に向けて米、梨、リンゴ、ぶどうなど農家の一年間の取組みの結果が現れる楽しみ多い季節に入ります。
　昨年は、例年より１週間も早く９月１日からの稲刈りが始まりましたが、途端に、長雨に見舞われ収穫が思うようにいかなかったことを合わせ考えると、収穫を阻む雨降りが長く続かないことを願うばかりです。　　
　果樹農家にお聞きしますと、４月の霜の被害に遭ったりんご、梨は玉伸びも思わしくなく、７月の長雨の後の猛暑続きのせいか、ぶどうも品種によっては果実の割れがひどいとのこと。また、市田柿も思うように結実していないという農家も多く少し心配でもあります。
　昨年９月７日には、北海道胆振(いぶり)東部地震が発生し、死者37人を出す大災害となりました。毎年のように続く自然災害は、今年も佐賀、福岡県など九州地方で停滞する線上降水帯により記録的な大雨を降らせ、死者３人を含む災害を引き起こしています。
昨日も首都圏を中心に台風15号の強風に飛ばされ、又倒れた樹木の下敷きになり２名の方が死亡しました。送電鉄塔の倒壊による大規模な停電が未だ続いている地域もあるようであります。都市特有の排水状況の悪さから、大雨による浸水被害も発生しているようであります。
　９月は台風が日本列島に近づき、上陸、縦断する最も多くなる月であり、警戒を怠らず、自主防災組織と連絡を密にし、空振りを恐れず避難指示等を早めに出すことで被害にある村民が出ないよう、事に当って参ります。
　内閣府発表の８月月例経済報告によりますと、日本の経済基調判断として、
　１　景気は、輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復している。
　２　個人消費は持ち直している。
　３　設備投資は、機械投資に弱さが見られるものの、緩やかな増加傾向にある。
　４　輸出は、弱含みでいる。
　５　雇用情勢は着実に改善している。
　と分析しつつ、先行きは、米中の通商問題を巡る緊張の増大が世界経済に与える影響に注意するとともに、中国経済の先行き、ヨーロッパをはじめ海外経済の動向と政策の不確実性に留意が必要としています。
　８月23日には、日米間での貿易交渉が大枠まとまった報道がされました。農産物の貿易に関しては、多くがＴＰＰ11の水準で合意に達したものの、自動車・同部品、工業製品含めて、米国の満足度が高い内容になったのでは無いかと邪推しつつも、ＴＰＰ11の発効と同時に、豚肉はじめ乳製品が前倒し輸入されたことを踏まえると、米国の巨大な農畜産物生産力が、中国市場にかわり日本に押し寄せるのではとの心配をするところであります。
　村内には、大きな企業はありませんが、規模は小さくとも、南信地域に一定のシェアをもつ中堅企業はあります。７月に長く事業を続けていた食品製造会社が、倒産に至りました。常雇用20人を超える企業であっただけに非常に残念な結果であります。
　10月１日を基準日として、消費税が２％上乗せされ、10％課税となります。消費に及ぼす影響、ひいては経済に与える影響がどうなるのか心配でもあります。
　さて、本議会で審議いただくことは、１つに、条例の一部改正、及び辺地総合対策事業計画の変更につきまして７本の議案を審議いただくこと。２つに、平成30年度中川村一般会計決算及び国民保険事業会計をはじめとする５つの特別会計決算並びに水道事業会計の７会計の決算を審議いただくこと。３つめが、令和元年度中川村一般会計及び特別会計並びに水道事業会計補正予算を審議いただくこと。そして、任期満了を迎えます中川村教育委員１名と人権擁護委員１名の任命議案、推薦に関する諮問案件を審議いただくことでございます。
　前年度会計決算につきましては、ボリュームのある内容になっております。年間の取組みの到達点、成果と今後の課題も含めて担当部署から丁寧な説明に心掛けてまいります。
　今議会で上程いたします全ての議案につきましては、慎重な審議の上に、なにとぞご承認賜わりますようお願い申上げ、議会開会のご挨拶といたします。

令和元年９月10日
中川村長　宮 下 健 彦