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おはようございます。
本日は、議員各位におかれましては、ご多忙のところ令和7年6月中川村議会定例会にご参集賜り、誠にありがとうございます。
4月22日告示の中川村長選挙におきまして、他に立候補者がなく、無投票当選となりました。村民の皆さんに政策を聴いていただき、質問を受け、答え、他候補と政策面での違いを明らかにして、有権者に選んでいただくという「選挙運動期間を通じた政策を浸透する。」という形にならずに終わりましたので、掲げた政策について理解いただけたかという思いは常にしておりました。無投票で当選させていただきましたので、今議会におきまして、2期8年間村政を担わせていただいたなかで、これから重点として取り組みたい政策に限って申し上げ、村民の皆様にもお聞きいただき取り組みの重点を知っていただきたいと思うところでございます。
前期4年間は、コロナ禍のなかで感染予防対策として、医療関係者の全面協力のもと、集団接種・医療機関での個別接種も混乱なく進める事が出来ました。コロナ禍での経済停滞を少しでも動かし活発化することを目的に、国の交付金を活用し、村単独費を乗せて村民の生活と事業を守るため様々な対策を実施してきました。令和5年度までの事業費は、令和6年度へ繰り越した事業費含めて、一般財源42,680千円を含む総額706,519千円のコロナ対応地方創生事業臨時交付金事業を行いました。基幹産業である農業者支援は、燃油及び資材費、及び肥料・農薬の値上がりが激しく、令和5年・6年と前年度との差額に応じて段階支援してきました。商工業者につきましても同様に段階支援を行いましたが、創業時の支援、店舗改装など、商工業振興の制度資金によらない細かな支援を求める声が強くあり、3期目に早速取りかかるべき課題であると思っています。
児童・生徒数の減少による学級数が減ることに伴い、専科教員の配置が困難になるなか、東西小学校の理科専科教員、英語専科教員、中学校に技術科・家庭科専科教員、保健体育専科教員を配置要望するなどして、小中学校の、教育の充実に取り組んできました。また、令和3年以降にICT教育担当指導主事を得て、引き続きICT教育の充実にあたっていただいています。
こども家庭センターを令和6年4月に開設し、乳幼児期から高校生の若者世代まで、本人およびその家族とつながりを持つ拠点をつくり、いろいろな専門職がかかわり、繋がりを細やかに、また、確かなものになるよう活動しております。
中川村地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を策定し、村民全体で取り組む方針を決めました。小水力、太陽光、バイオマスなど再生可能エネルギー活用の調査を開始しエネルギーの地産地消を目指し、創電事業を担う地域おこし協力隊を令和6年度に雇用し、経験を生かして活動開始しています。
空き家活用促進事業を活用し、多くの方が空き家貸出し、除去、改修を進めています。令和5年度までに 売却、貸出8件、除去2件、改修12件となっています。また、住宅用地取得に対して支援をしてきました。令和3年度から5年度実績は、15件を記録しています。村に空き家を求める村外者が多く訪れていますが、紹介できる空き家が少なく、利用が進まない現状があります。持ち主の調査のための立ち入り同意を得て、空き家の状態を詳しく調べ、利活用につながるようにする必要があると考えております。
地域の協力があり、開設した分譲地4区画の内、3区画で家が建設されるなど、残り1区画も間もなく売買契約となることに期待をしています。
坂戸橋が重要文化財に指定され、地域の宝として動きがさらに広がりました。江戸末期の本棟造民家である米山家母屋、昭和初期の建築様式を残す中部電力南向発電所本館の登録有形文化財化への動きがすすみました。
農業交流センターが都市域で行った物産展の販売品および数量は毎年増加傾向にあり、東京・大阪など大都市での中川村ファンは少しずつ増えています。
前の任期期間では、このような特徴的な成果を得て、また残すことができた反面、改善すべき課題も明確になりました。特に、村の人口減少、少子高齢化は予想を上回る速さで進んでいます。第2次まち・ひと・しごと創生中川村総合戦略を引きつぐ第6次総合計画後期基本計画では、
1 空き家補助金活用者数を10件から15件に引上げる。
2 奨学金利用学生の帰郷率を、年50%から55%に引き上げる。
などの重要業績目標を掲げています。目標達成のために知恵を絞り、実行に移さなければなりません。
次期のなかで実施しなければならないと考えていることは、
1 農家や製造業、福祉事業、観光業、など事業所で働く人材の確保と、働き手の安定した雇用の場を確保するため「特定地域づくり事業協同組合」の年度内設立を目指します。農家・企業から働き手を求めるアンケートにより求める働き手の概数をいただいていますので、参加する農家・事業所等にこの組合の目指すモノ・労働制約等を確認しつつ、専門的に事務局を担える人を早急に見つけていきます。
2 創業者、既に事業展開している商工業者の事業所開設、店舗等改修に対して細かな支援を拡充することで、事業の後押しを行います。コロナ禍では、不況対策特別運転資金の利子補給を、令和5年度まで全額村で負担するなどの対策と、コロナウイルス除去空気清浄機や省エネタイプの空調の交換などを中心に商工事業者を支援しましたが、更に、支援の幅を広げます。
3 建築士資格者による「空き家の実態」を調査し、利活用に繋がる物件のリスト化をすすめます。同時に、建築資材等値上がりする状況に照らして、現在の補助制度の拡充についても検討を進めます。
4 「新しい学校」の建設に伴い空くことになる東西小学校の後利用や、敷地内に児童・生徒の放課後の居場所となる「児童館」の設置を検討します。そのほか、フリースクール等へ通う児童・生徒の支援、病児・病後児保育施設を村内で整備する構想があり、その実現に向けた支援を進めます。
5 新設する学校周辺、望岳荘とふれあい観光施設及び隣接地、チャオと周辺など、土地の活用方法検討を村民の参加する委員会ですすめます。村民参加の方法は、庁内で良く議論し当事者だけの課題としないように、検討して実施します。
6 若者が中心となった「むらづくり委員会」(仮称)を設置し、魅力ある村づくりへの企画提案ができる仕組みを検討します。
7 地区組織の今後のあり方について、総代会に地区制度懇談会を設置して課題の整理と方針の検討を提案します。
幅広い層の村民により、協働して計画を練り上げるよう心がけます。特につぎの村を実質背負い、経済活動も、地域の中心になる「若者」(高校生、大学生、社会人など、対象とする年齢は考えますが)の考え、意見を反映することを重視し、主体的にかかわりアイデアや建設的な意見が多数寄せられるような議論の場をどのようにつくるか、がカギだと考えますが、どうすればよいか議員、村民のお考えを聞かせていただきたい。
人口減少の中で、役場が何とかするだろうという時代は終わっています。真に必要なモノ、将来を見通してそれぞれの関係者がともにつくることなしには村の将来は見えるモノとならないと考えます。
以上、3期目の重点の取り組みを申し上げました。立候補にあたり政策として掲げた項目で触れなかったこともありますが、事業実施の際には少しずつ具体化し実行に移して参ります。
さて、本日の議会で審議いただきたくお願いしますのは、損害賠償の額の決定及び和解について専決処分しました報告2件、令和6年度中川村一般会計継続費繰越計算書、及び繰越明許費繰越計算書等3件の報告、村土地開発公社の経営状況についての報告合わせて6件の報告を行います。
そして、税条例の一部改正条例の制定など専決処分した6承認案件を審議いただきます。更に、3件の条例一部改正、財産取得の2議案、及び令和7年度の一般会計、介護保健特別会計、水道・下水道事業会計の補正予算案4議案を審議いただきます。
また、最終日には、令和7年度国一般会計予備費使用に伴う物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金村配分交付金を原資にした交付対象事業を第2号補正予算として提案いたします。更に、副村長の選任をはじめ教育委員の選任についての人事議案をご審議いただきたいと存じます。
依然として物価高騰、コメ不足の現状を踏まえて早急な対応を要する実情をご賢察いただき慎重なる審議の上、原案どおりお認めいただきますことをお願い申し上げ開会にあたりましてのごあいさつとします。
令和7年6月10日 中川村長 宮下健彦