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中川村議会12月定例会の開催をお願いいたしましたところ、議員各位におかれましては、それぞれご多用のなか、全員、定刻にご参集をいただきありがとうございます。
例年に増して暖かく、木々の色づきが遅れていましたが、季節は晩秋から初冬へと移り、ようやく両アルプスの高嶺に冠雪が見られ、南駒、空木の峰や塩見、荒川、赤石の峰々は、青い空にくっきりとした稜線を際立たせています。今年も残すところ一月をきるところとなりました。
前回9月定例会以後の主立った村や国の行事・イベント、各種の大会等の取り組みについて申し上げます。
10月5日に予定されていた東西小学校の運動会は、降雨のため翌日6日に順延して開かれました。私は、東小へ、副村長は西小へそれぞれ招待をしていただき児童の元気いっぱいに取り組む姿を見させていただきました。児童数は減っても、校庭いっぱいに駆け回り、協力してダンスをしたり、借り物レースでは見学の保護者・家族が飛び入りで一緒に参加する姿があり大人と子どもが一緒に楽しむ行事としての運動会の良さを感じたところです。1週間程遅れで、12日に片桐保育園、13日にはみなかた保育園の運動会がそれぞれの園で行われ、両園の運動会にも出席いたしました。
10月19日には第3回中川産業祭が共同店舗チャオ及びJA中川資材センターを中心にして開催されました。今年は変わった嗜好があり、飯沼棚田で栽培している酒米「美山錦」を炊いたご飯試食コーナーがありまして、試食いたしましたが、味覚鈍感のせいか、食用コシヒカリのご飯に遜色ない味がしてびっくりしました。また、信州プロレスのイベントショウが地場センターで行われ、大盛り上がりを見せたようです。
翌20日にはサンアリーナですっかり定着した感のある「ふれあい福祉ひろば」が開かれ、様々な年代の皆さんの出し物があり、楽しく鑑賞し、また、私自身も借り衣装で音楽レクレーションの道化役で出演しましたが、果たして、普及の役に立ったかどうかと思い返しています。
10月27日は、名古屋市天白区区民祭りの開催予定でありましたが、衆議院議員選挙投票日と重なったため、中止となりましたが、11月3日に区制施行50年記念イベント「かぼっち健康フェスタ」が天白区名古屋市農業センターを会場に開催され、村は農産物・加工品を持参し祭りに参加しました。また、11月2日に行われた東京港区竹芝で開催の第3回日本で最も美しい村まつりにも参加・出店してきたところです。
文化の秋の象徴とも言える、第49回中川村文化祭が、11月1日から3日にかけて牧ヶ原文化公園で盛大に開催されました。文化祭開催の3日間は、美しい村連合の事業委員会、理事会、及び美しい村まつりに出席するため鑑賞出来ませんでしたが、展示の部・ステージの部それぞれ工夫を凝らした発表がされた事を館報中川第313号が詳しく報じています。
例年10月は、中部国道協会道路整備促進大会、治水砂防事業促進全国大会が開催される時期ですが、総選挙で新国会議員が決まる投票日以後の11月に開催を延期しました。そのため、当初予定の全国過疎地連盟(阿部長野県知事会長)総会、簡易水道整備促進大会、及び全国町村長大会が集中し、2週間は東京出張が続く非常に密なスケジュールでありました。
11月29日は、中学3年生6人の議員による、第3回こども議会が開催されました。地方自治について学ぶ単元のまとめとしての位置付けであったようですが、中学生の目線とは言え、村を日本中にひろめ、移住・定住を増やすこと、そのための情報発信ツールの選択と強化など意見・提案を生かして行きます。
11月30日は中川村地球温暖化対策推進協議会主催、上伊那地域振興局後援で文化センターを会場にして、脱炭素キックオフイベントを開催しました。信州大学人文学部茅野恒秀准教授の「脱炭素まちづくりをはじめよう」と題する講演があり、各種の体験コーナーが設置されました。
文化センター会場外では、水素燃料電池車の展示と、水素燃焼エンジンから電力を取り出す実演、また館内では協賛団体の地球温暖化防止活動推進センターが実施するコーナーが多数設けられました。家庭でもできる省エネの展示など非常に幅広い参加体験型のイベントが展開されました。
一昨年最低近くまで下落した食用米の価格は、冷夏の平成5年(1993年)に最高値を記録して以後下落続きのなか、昨年の不作で値上がりし、更に今年の米の端境期の8月の台風、日向沖地震の発生などで一時期小売り店舗から米が消えた現象を反映してか、相対取引価格は近年の最高額を示すほど反発値上がりしています。再生産に繋がる米価は喜ばしいことですが、外国産うるち米の需要の高まりが一方で起きており、国産米離れを警戒する関係者も生まれる現象となっているようです。
消費者にも理解される米価と安心して米作りができる生産農家の一致点を今後見いだす取り組みが求められると感じています。
高い気温が続き、ようやく、晩成種フジの収穫が終了しました。又、市田柿の干し柿製品化工程も遅れているようです。フジリンゴは、収量減、病害虫の被害果が多く、贈答出荷に向く果実が少ないようです。干し柿は、温暖・適度な降雨で果実が肥大化した反面、干し上がりが遅く、カビの発生した農家も多いと聞いています。最近、果樹栽培については順調な話があまり聞かれず、抜本的な対策を検討する必要があるのではと思うところです。
11月22日政府は総合経済対策として、「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」副題~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~を閣議決定しました。大括りに、1 全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす。2 誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける。3 成長型経済への移行の礎を築く。の3分野の政策ファイルとして発表されたモノで、令和6年度補正予算及び令和7年度国家予算の特徴的な方向を示しているとの説明があります。
現在、臨時国会が開会され、所得税課税となる収入103万円をどう引き上げるのか、一方で、住民税の大幅な減収に繋がることも確かで国会論戦を注目する所です。同時に、政治資金規正法に関連して、企業・団体献金の扱いがどう議論されるのか等、政権与党が少数となったことから引き締まった国会議論と国会運営がされそうです。
さて、本日の会議に提案しますのは、中川観光開発株式会社の経営状況についての報告が1件、総選挙関連の専決処分した予算の承認案件が1件、条例の一部改正案件が1件、及び一般会計補正予算、下水道事業会計補正予算案各1件、合計3件の議案を提案いたします。
何卒慎重なご審議のうえ、全員のご同意を賜りますようお願い申し上げまして、定例会開会のあいさつといたします。
令和6年12月5日
中川村長 宮下健彦