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ツツザキヤマジノギクを保全しましょう
ツツザキヤマジノギクとは?
ツツザキヤマジノギクは長野県の絶滅危惧種(IA類)に指定され、絶滅の危険性が高い植物です。県内では中川村と松川町など伊那谷の一部でのみ生育が確認されています。
キク科植物の花は周辺部に平たい形の花びら(舌状花) の並ぶものが多いのですが、この花の花びらは先端付近まで筒状になっているところが特徴です。和名の由来になったツツザキ(筒咲き)のようすは、個体間だけではなく同じ茎からでも舌状と筒状とで異なっているものもあリ、花の半周で異なる場合もあります。また、筒咲きのタネから舌状の花が咲く場合もあるなど、今もわからないことが多い謎の花です。
〈ツツザキヤマジノギク〉 ※ツツザキヤマジノギクは長野県植物誌(1997年刊行)で「長野県固有」「南部(伊那谷)」の分布と記しており、他の都道府県のレッドデータプックにはまったく記載されていない事から、伊那谷の固有種と考えられています。中川村誌ではツツザキヤマジノギクを「イナノギク」と記載しており、長野県植物誌でも別称としてイナノギクを並記しています。 |
ツツザキヤマジノギクの自生地復元をめざしています
中川村と松川町など伊那谷の一部で保存活動が行われています。 2002年までの調査では陣馬形山山頂が北限とされていましたが、その後山頂は絶滅したため、小渋川自生地の子孫を2017年から山頂に移植し自生地復元をめざしています。鹿の食害などにより、大きな被害をうけたこともありましたが、2020 年春には前年のこぼれ種が発芽し、定着の兆しが見え始めました。2021年には生育場所が拡大し 自生地復元に近づいていることが確認されました。
自生地復元はみなさんもご一緒に!
ツツザキヤマジノギク(イナノギク)は里山の自然が現代に残した大切な遺産です。自生地を少しでも拡大して、次世代の子どもたちにつなげてまいリましよう。生育に手間は一切かかりません。荒れ地でも育ちます。こぼれたタネからの発芽も見守ってあげて下さい。
中川村ツツザキヤマジノギク保全協議会
中川村役場・環境水道室、産業振興課
中川村教育委員会・中川東小学校・中川西小学校
中川植物観察・保全の会・Waqua合同会社