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《村長の部屋》 米澤酒造(株)事務所完成前のメディア公開 あいさつ

 米澤酒造(株)事務所完成前のメデイア公開に出席しました。

 米澤酒造(株)は、旧米澤酒造の後を引き継ぎ、伝統の技法を一部に残し、守りながら、食品メーカーとしての徹底した衛生管理・製造工程のノウハウを生かして日本酒を造り4年目を迎えようとしています。

 木造建築の造り酒屋から、鉄筋の建物に全面改築して、事務所及び売店、地域の物産販売所の完成を目前にして、メディア公開が行われ、報道関係等30社が集まりました。

 地場産業の大切な1つである米澤酒造(株)の会社施設の完成間近のお祝いを申し上げるとともに、多くのメディアが参加するなか、中川村を売り込む機会でもあると考え、次のようにあいさつをしました。

 以下、あいさつ文を掲載します。


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 地元を代表してあいさつ

 皆様こんにちは。古い造り酒屋が、ご覧のように、近代的な施設に様変わりし、事務所の新築をもって一通りの完成とお聞きをしています。
 米澤酒造(株)が位置する、中川村を代表して一言ごあいさつを申し上げます。

 私どもは、「米澤酒造」と呼ぶより、当社の代表的なお酒の銘柄「今錦」と呼ぶ方が多いのですが、創業明治40年と聞いております。この古い造り酒屋がこのように近代的な設備の中にあって、地元中川村と飯島町で栽培した酒米にこだわり、仕込み、発酵、最終工程の搾りを伝統的な木槽(きふね)搾りで行っているのですが、伝統の技術にこだわる酒造りをする訳は、私の話を聞いていただけると分かっていただけるものと思います。

 米澤酒造(株)があります、中川村大草北組地区は、養命酒の発祥の地でもあります。中川村は、天竜川が削り込んだ河岸段丘上に集落が形成された温暖な気候の村です。産業の中心は農業にありますが、平地が少なく規模の大きな水田農業は展開していません。集約性の高い果樹栽培が盛んで、りんごの栽培面積は、伊那市のそれに匹敵するものと思っています。
耕作面積と畦畔面積が同じというような土地が多い中で農業を営んでいます。長年の米の生産調整、農業離れが進む中で、耕作放棄地が増え、地域を離れる人が増えるなど、地域の維持が深刻になってきました。
 時期を同じくして、お酒の嗜好がビールや蒸留酒に移り、日本酒の消費量は減り続け、米澤酒造のような小さな造り酒屋も経営難になりました。
14年前になりますが、米澤酒造はこれを挽回すべく、地元飯沼地区の耕作者の皆さんの棚田で酒米を栽培し、全量を使用した純米酒を造ることになり、地元耕作者の理解と協力の中で、こだわりの日本酒「おたまじゃくし」が誕生しました。
 これは、久々にヒットし酒造りメーカーも経営に一息、水田の荒廃防止にも役立ってまいりました。
 しかし、こだわりの酒も今ひとつ、爆発的なブームを起こすまでには至らず、米澤酒造は平成26年3月で100年余の歴史に幕を閉じることとなりました。

 9年前の平成20年ですが、中川村は、「日本で最も美しい村」連合に加盟しました。この連合の立ち上げに参加され、呼びかけ人のお一人となったのが、伊那食品工業会長であり現米澤酒造(株)の代表の塚越寛さんです。このご縁もあり、村は何かに付けてお声がけいただいています。

 中川村の変化に富んだ自然景観、特に河岸段丘と赤石、木曽両山脈に挟まれた地形は、私どもがいつも仰ぎ親しんで見ています陣馬形山頂から俯瞰することで、扇状地、田切地形ほか、伊那谷断層まで見て取ることができ、まさに絶景と言えます。
 こんな村が、もっと世に出て多くの人の目に止まってほしい。村にある資源をうまく利用して、経済的にも自立した地域であってほしいと。私たちもそう願っていますが、これは塚越社長の思いでもあり、また、「日本で最も美しい村」連合の目指すところでもあります。
 このような中で、歴史と伝統と地元住民になじみのある造り酒屋の名称をそのままに、また、社の商標もそのままに残し、施設装備は近代的に一新するものの、伝統の技にこだわり、残せるものはそのまま残すこと。村で栽培した米を使って日本酒に変え、村を訪れた多くの皆さんに、この地で味わっていただくこと。これは、小さくも伝統ある地場産業の復活であり、6次産業化の実現にもつながるものでもあります。

 「陣馬形山、酒米栽培の棚田、茅葺きの古民家の残る里山などをこの地を訪れた人の『観光ルート』に入れて、村を売り出せないか。」という塚越会長の構想を実現する “核” が、古い造り酒屋の存続であったと思います。
 結果、旧米澤酒造の解散と同時に、社名はそのままに、新たに米澤酒造(株)を発足させ、伝統の技を引き継ぎ、今日に至っています。

 日本酒造りの伝統が、近代的な施設の中に生き、受け継がれていることを村民の1人としてうれしく思うと同時に、米澤酒造(株)の代表銘柄である「今錦」、「おたまじゃくし」が信州伊那地方を代表する日本酒の1つとして世に出て行くことを願い、地元中川村長のあいさつとさせていただきます。

 本日は、完成間近ということでありまして、誠におめでとうございます。

平成29年9月28日  中川村長 宮下健彦